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フリーの画像編集ソフト「paint.net 4.3」が登場 ~.NET Framework 4.8→.NET 5への移行で全体的な高速化
ZIP形式のポータブル版、ARM64のネイティブサポートなども実現
2021年9月24日 10:00
米dotPDNは9月22日(現地時間)、フリーの画像編集ソフト「paint.net」の最新版「paint.net 4.3」を公開した。「.NET Framework 4.8」から「.NET 5」への移行を果たし、全体的なパフォーマンスが大きく向上しているという。
「.NET Framework」「.NET」は、「paint.net」で利用されているアプリケーション開発フレームワークだ。「.NET 5」は「.NET Framework 4.8」の後継バージョンにあたり、Windows以外の環境でも動作する(クロスプラットフォーム化)ようになったのが最大の特徴だが、ランタイムそのものも大きく改善されている。
開発チームによると、「.NET 5」ではコード生成(JIT)の改善によりパフォーマンスが大きく向上しているとのこと。また、メディアファイルの処理に威力を発揮するSIMD組込み関数(x86/x64では「SSE4」や「AVX-512」、ARM64では「AdvSIMD」)でさらなるコード最適化が可能になったのも大きな利点だという。エフェクトのレンダリングだけでなくプラグインのロード、「魔法の杖」(自動選択)や「ペイント缶」(塗りつぶし)といったツールといったさまざまな処理が高速化されているようだ。
また、セットアップの際に行われていた「パフォーマンスの最適化」処理も不要となった。従来はこのステップで「Ngen」が実行され、中間コードから最適化されたネイティブコードが生成されていたが、「CrossGen」「ReadyToRun」と呼ばれる仕組みを採用したことにより、アプリのビルド時にネイティブコードが生成できるようになったためだ。
そのほかにも、ビルド処理やパッケージ化、ダウンロード、インストールに至るまでの処理が見直された。インストーラーはWebからバイナリをダウンロードする仕組みになり、あらかじめ「.NET Framework」をセットアップしておく必要もなくなった。ZIP形式のポータブル版、ARM64のネイティブサポートなども実現されている。11月にリリース予定の「.NET 6」にも対応できる見込みで、さらなるパフォーマンスの向上が期待できるという。
「paint.net」のオンラインインストーラーは現在、公式サイト「getpaint.net」から無償でダウンロード可能(寄付歓迎)。対応OSはWindows 7 SP1以降で、Windows 11への対応も謳われている。
一方、ZIP形式のポータブル版とオフラインインストーラーは、「GitHub」のプロジェクトページからダウンロードできる。プラットフォームに合わせて書庫ファイルを選ぶ必要があるので、よくわからないユーザーは自動で最適なバイナリをセットアップしてくれるオンラインインストーラーの利用をお勧めする。
なお、Windows 10の場合は「Microsoft Store」から入手することも可能。こちらは820円(税込み)のダウンロード販売となっている。寄付をしたいが支払い方がわからない場合は、ストアからの購入がお勧めだ。
ソフトウェア情報
- 「paint.net」
- 【著作権者】
- dotPDN LLC、Rick Brewster 氏、contributors
- 【対応OS】
- 64bit版を含むWindows 7/8.1/10/11
- 【ソフト種別】
- フリーソフト(寄付歓迎)
- 【バージョン】
- 4.3(21/09/22)