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「paint.net 5.0」のアルファ版がお披露目 ~すみずみまでGPUアクセラレーション

筆圧感知や埋め込みカラープロファイルにも対応

dotPDN、「paint.net 5.0」のアルファ版を初公開

 米dotPDNは11月21日(現地時間)、「paint.net 5.0」のアルファ版を初公開した。フリーの画像編集ソフト「paint.net」の次期バージョンが、安定版リリースに先駆けテストされる。

 「paint.net 5.0」の目玉は、GPUアクセラレーション対応の拡充だ。「paint.net」はすでにv4.0からキャンバスを描画するためにハードウェアアクセラレーションレンダリングを活用しているが、v5.0ではそれがレイヤーウィンドウ、履歴ウィンドウ、ルーラー、メインウィンドウの上部にある画像リストなど、より多くのUIで用いられるようになっている。

 さらに、ほぼすべての[調整]と[エフェクト]メニューのコマンドがGPUを利用するようになった。これにより、さらなるパフォーマンス向上が見込めるほか、ノートPCではバッテリー持続時間の延長も期待できる。

 また、エフェクトプラグインのシステムも刷新され、GPUのフル活用はもちろん、編集中の画像のすべてのレイヤーにアクセスしたり、画像のメタデータにアクセスできるようになるなど、柔軟性が増している。古いシステムも引き続き機能するが、今後は新システムへの移行が進むだろう。

新しい調整機能。これらにもGPUアクセラレーションが適用されるようだ
一眼レフのボケのようなぼかしも可能に

 GPUアクセラレーションの利用は、設定画面でON/OFFが可能。既定ではOSが「パフォーマンス GPU」と識別するGPUが用いられるが、これもユーザー側で選択できる。デバイスが内蔵GPU(iGPU)とディスクリートGPU(dGPU)を備える場合、従来の「paint.net」はiGPUしか利用できなかったが、「paint.net 5.0」ならばdGPUを積極的に用いて、デバイスのポテンシャルを引き出すことができる。UIやキャンバスはOSが「デフォルトGPU」と識別するもの(通常はiGPU)が利用されるため、バッテリー消費量が抑えられる。

GPUアクセラレーションの利用は、設定画面でON/OFFが可能

 そのほかにも、「Windows Ink」を用いた筆圧感知がサポートされた。「paint.net」はかつて筆圧感知に対応していたが、当時はさまざまな技術的課題があり、2009年のv3.5で削除されていた。これが復活したことになる。

 また、埋め込みカラープロファイルにも対応した。これにより、画像の色をより正しく表示することができる。「paint.net」はカラーマネジメントシステム(CMS)をサポートしていないが、将来的には実装していきたいとしている。

 なお、「paint.net 5.0」の対応OSは「Windows 10 バージョン 1809」以降となる見込み。Windows 7/8.1はサポートされない。CPUはx64/ARM64がネイティブサポートされるが、x86対応は打ち切られるとのこと。

 アルファ版「paint.net 5.0」は現在、オフラインインストーラー、ポータブ ZIP、MSIインストーラーが「GitHub」から入手できる。Webインストーラーは後日用意されるとのこと。初期リリースは内蔵のアップデーターが機能しないとのことだが、これは今後解決される予定だ。

ソフトウェア情報

「paint.net」アルファ版
【著作権者】
dotPDN LLC、Rick Brewster 氏、contributors
【対応OS】
64bit版を含むWindows 7/8.1/10/11
【ソフト種別】
フリーソフト(寄付歓迎)
【バージョン】
5.0 alpha (build 8361)(22/11/21)