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無料レタッチツール「paint.net」が「.NET 6」移行でさらなるパフォーマンスアップ

v4.3.3が正式リリース。次期版はx64/ARM64、Windows 10以降のみサポート

フリーの画像編集ソフト「paint.net 4.3.3」が公開

 米dotPDNは11月21日(現地時間)、フリーの画像編集ソフト「paint.net 4.3.3」を公開した。リリースされたばかりの「.NET 6」へ移行し、レンダリングと起動時のパフォーマンスがさらに改善されたほか、「C# 10」を利用したアプリ・プラグイン開発が可能となった。

 そのほかにもWindows 10/11のダークテーマ対応の改善、Windows 11環境におけるUIの修正、翻訳の拡充、メモリリークを含む多数の重要な不具合修正が行われているとのこと。アプリのビルドやインストーラーを作成するインフラストラクチャーの整備も進められており、「Nullsoft Scriptable Installer System」(NSIS)からの脱却が図られている。

 「NSIS」は長く「paint.net」で用いられ大きな問題はなかったが、32bitにしか対応しておらず、x86版インストーラーに比べx64/ARM64版インストーラーのサイズが大きくなる原因となっていた。そこで「LZMA SDK」(7-zip)ベースのカスタム自己解凍ツールへ移行することで、それを解消したとのこと。サイズの削減で生まれた余裕は「.NET 6」のAOTコンパイラー「crossgen2」などを用いた最適化に利用されているため、実際のサイズはむしろ大きくなってしまっている(約53~62MB)が、パフォーマンス向上との引き換えと思えば甘受できるレベルだ。

 また、レガシーコード(C++/CLIなど)を排除する準備としてライブラリの移行なども行われているという。

 なお、次期バージョン「paint.net 4.4」ではWindows 10以降、64bit版のみ(x64/ARM64)のみのサポートとなる見込み。v4.4が完成するまでの間、v4.3.xは必要に応じてアップデートされるとのことだが、いずれはサポート対象外となるため注意したい。

 「paint.net」のオンラインインストーラーは現在、公式サイト「getpaint.net」から無償でダウンロード可能(寄付歓迎)。対応OSはWindows 7 SP1以降で、Windows 11への対応も謳われている。

 一方、ZIP形式のポータブル版とオフラインインストーラーは、「GitHub」のプロジェクトページからダウンロードできる。プラットフォームに合わせて書庫ファイルを選ぶ必要があるので、よくわからないユーザーは自動で最適なバイナリをセットアップしてくれるオンラインインストーラーの利用をお勧めする。

 また、Windows 10の場合は「Microsoft Store」から入手することも可能。こちらは820円(税込み)のダウンロード販売となっている。寄付をしたいが支払い方がわからない場合は、ストアからの購入がお勧めだ。

ソフトウェア情報

「paint.net」
【著作権者】
dotPDN LLC、Rick Brewster 氏、contributors
【対応OS】
64bit版を含むWindows 7/8.1/10/11
【ソフト種別】
フリーソフト(寄付歓迎)
【バージョン】
4.3.3(21/11/21)