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「なでしこ3」で書いた日本語プログラムをWindows/Macアプリにするキットが公開
オフライン環境でも配布できるアプリケーションに
2021年10月19日 09:12
日本語プログラム言語環境「なでしこ」の開発チームは10月18日、「なでしこ3」のプログラムをローカルで動作するアプリとして配布可能になったと発表した。Windowsでは「Microsoft Edge」、macOSでは「Safari」のコンポーネントを利用することで実現しているという。プログラムを動作させるのに必要なランタイムは5MBほどだ。
「なでしこ」には現在、ローカルで動作するv1(なでしこ1)と、基本的にWebブラウザーから利用することが前提になっているv3(なでしこ3)の2つがある。「なでしこ3」のプログラムは「なでしこ3貯蔵庫」に保存しておくと、配布URLを共有するだけで簡単に受け渡しができて便利だ。
しかし、なかにはインターネット接続のない、オフライン環境で「なでしこ3」プログラムを動かしたい場合もあるだろう。そうしたときのために利用できるのが、今回リリースされた「nadesiko3webkit」だ。
「nadesiko3webkit」はオープンソースプロジェクトで、現在「GitHub」のプロジェクトページから無償でダウンロード可能。リリースページにWindows版とMac版が用意されているので、とりあえず実行してみよう。自分の環境にあった書庫ファイルをローカルにダウンロード・展開し、ルートフォルダーにある「nadesiko3.exe」をダブルクリックしてサンプルプログラムが起動すれば成功だ。
もしWindows環境で動作しない場合は、「Chromium」ベースの新しい「Microsoft Edge」と「Webview2」のエバーグリーン(Evergreen)ランタイムをインストールすればよい。「Webview2」は「Edge」をアプリケーションに組み込み、Webコンテンツを動かせるようにするコンポーネントだ。
「webapp」フォルダー内にある「main.nako3」のコードをサンプルプログラム以外に書き換えれば、好きな「なでしこ3」のプログラムを動作させられる。「index.json」を編集すれば、ウィンドウのタイトルやサイズをカスタマイズ可能だ。配布プログラムが完成したら、ルートフォルダー以下を再配布するとよいだろう。
「なでしこ」は、日本語で記述できるプログラム言語。ファイルやテキスト、画像、システム(プロセス・レジストリ)、ネットワークなど多彩なコマンドを組み合わせて業務を自動化(バッチファイルの開発)したり、本格的なGUIアプリを開発できる。
「Microsoft Office」「OpenOffice.org」といったオフィスツールを連携させることも可能で、プログラミングに興味はあるが英語が苦手でなかなか踏み出せない人に活用されることが期待されている。また、中学の教科書に採用されたり、「大学入学共通テスト手順記述標準言語」(DNCL)に対応するなど、教育用途での利用も広がりつつある。