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入試対策もばっちり! 「なでしこ」が大学入学共通テストの疑似プログラミング言語「DNCL」に対応

動かないはずのDNCLプログラムを、少し手間をかけるだけで実際に動作させられる

日本語プログラミング言語「なでしこ」の公式ページ

 日本語プログラミング言語「なでしこ」の開発チームは10月15日、「なでしこ3」が大学入学共通テスト(旧:大学入試センター試験)の情報関係基礎科目で用いられている「大学入学共通テスト手順記述標準言語(DNCL)」に対応したと発表した。

 テストで特定のプログラミング言語(C/C++、Javaなど)を採用するとすでにその言語に習熟している受験者とそうでない受験者の間で不公平が生じてしまう。一方、あくまでもアルゴリズムの理解や学習を容易にする目的で用いられる「DNCL」のような疑似プログラミング言語であれば、そうした問題は避けられる。

 しかし、疑似言語はコンパイルや実行ができず、実際に動作させながら学びたい場合には向いていない。そこで「なでしこ」の開発チームは、「DNCL」とほぼ1:1で記述できるように「なでしこ3」を改善。少し手間をかけるだけで「DNCL」をそのまま「なでしこ3」に置き換えるようにした。令和7年度以降新設が検討されている「情報」教科の出題に用いられると推測されている「DNCL2」(仮称)にも対応しているという。

 つまり、大学入学共通テストの出題されるプログラムを実際に動かし、挙動を確かめられるというわけだ。「なでしこ3」はWebブラウザーで利用できるので、ローカルに実行環境を整える必要がないのも気軽でよい。

大学入学共通テスト「情報」教科の予想問題
前掲の予想問題を「なでしこ3」で解いた様子

 「なでしこ」は中学校の教科書にも採用されており、教育現場での利用が広がっている。今回の改善で入試対策にも役立つともなれば、一層の普及が期待できるだろう。

 「なでしこ」は、日本語で記述できるプログラム言語。ファイルやテキスト、画像、システム(プロセス・レジストリ)、ネットワークなど多彩なコマンドを組み合わせて業務を自動化(バッチファイルの開発)したり、本格的なGUIアプリを開発できる。

 「Microsoft Office」「OpenOffice.org」といったオフィスツールを連携させることも可能で、プログラミングに興味はあるが英語が苦手でなかなか踏み出せない人に活用されることが期待されている。

 ちなみに「DNCL」に対応する処理系としてはほかにも、ブロックコーディング・タイプコーディング両対応の「Visual-XTetra/XTetra」や、Pythonに似た日本語プログラミング言語「つちのこ」などがある。