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「macOS Monterey 12.0」が公開 ~「FaceTime」やマルチデバイス運用を強化

タブバーが再設計された「Safari 15.0」も搭載

「macOS Monterey 12.0」

 米Appleは10月25日(現地時間)、「macOS Monterey 12.0」を正式リリースした。「macOS Monterey 12.0」は、同社のデスクトップ・ラップトップ向けOS「macOS」の最新版。今年6月に開催された開発者向けイベント「WWDC 2021」で初めてお披露目され、7月からベータテストが行われていた。

 「macOS Monterey 12.0」では、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大の影響で重要さを増す「FaceTime」を強化。同じコンテンツを家族や友達と一緒に楽しめる「SharePlay」がサポートされたほか、FaceTime通話中に画面を共有する機能が利用できるようになった。

 「SharePlay」利用中は、一時停止・再生・早戻し・早送りの同期や再生リストの共有、通話が聞き取りやすいようにコンテンツの音量を自動で調整するスマートボリュームが利用可能。また、背景をぼかして自分の顔だけを映すポートレートモード、グリッド表示、空間オーディオ、AIで周囲の雑音を低減して声を聞き取りやすくする「声を分離」モード、逆に周囲の音をすべて拾って共有できるワイドスペクトルモードといった先進的な機能もサポートする。

 Mac以外のデバイスを利用するユーザーにとっては、Webブラウザーで「FaceTime」通話に参加できるようになったのが大きな改善点といえるだろう。

 また、「集中モード」や「ショートカット」といったiOSでお馴染みの機能がMacにも導入される。「集中モード」は現在の作業に関係のない通知を自動的にフィルターする機能で、これに合わせて通知のデザインもアップデートされた。「ショートカット」は、毎日行う定型のタスクを自動化し、生産性を最大限に高めるのに役立つ。思い立ったときにすぐメモをとれる「クイックメモ」も便利だ。

 Webブラウザー「Safari 15.0」ではタブバーが再設計され、「Google Chrome」などにも導入されている「タブグループ」が利用できるようになった。検索ボックスとタブを一列に表示するコンパクトモードを利用すれば、Webページの表示領域をさらに広げることができる。もちろん、選択テキストを右クリックすれば。Webページの引用を「クイックメモ」に保存することも可能だ。

「Safari」ではタブバーが再設計され、「タブグループ」などが利用できるように

 そのほかにも、マルチデバイス運用が強化された。1セットのキーボードとマウスでMacとiPadを行き来できる「ユニバーサルコントロール」(Universal Control)、iPhone/iPadのコンテンツをMacの美しいディスプレイで楽しめる「MacにAirPlay」などを利用すれば、手持ちのApple製品をよりシームレスに連携させることが可能だ。

1セットのキーボードとマウスでMacとiPadを行き来できる「ユニバーサルコントロール」。デバイス間でコンテンツをドラッグ&ドロップすることも

 「macOS Monterey 12.0」に対応するデバイスは、以下のモデル。「macOS Big Sur」でサポートされていた一部の「MacBook Pro」(Late 2013からMid 2014まで)、「iMac」(Mid 2014)には対応しないので注意したい。

  • MacBook Pro(Early 2015以降)
  • MacBook Air(Early 2015以降)
  • MacBook(Early 2016以降)
  • iMac Pro(2017)
  • iMac(Late 2015以降)
  • Mac mini(Late 2014以降)
  • Mac Pro(Late 2013以降)

 対応デバイスであれば、[システム環境設定]ダイアログの[ソフトウェア・アップデート]セクションから無償でアップグレード可能だ。

 なお、セキュリティ関連の修正が「macOS Monterey 12.0」(プリインストール)とそのアップデートである「macOS Monterey 12.0.1」にあるようだが、内容はまだ伏せられている。詳細は「macOS Big Sur 11.6.1」、「Security Update 2021-007 Catalina」などとともに後日明らかにされる予定だ。

「macOS Monterey 12.0.1」へのアップデートを