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米Apple、「macOS Ventura 13.0」を正式公開
iPhoneをMacのWebカメラとして利用できる連係カメラ機能などを新たに追加
2022年10月25日 09:07
米Appleは10月24日(現地時間)、「macOS Ventura 13.0」を正式にリリースした。今年6月の「WWDC 2022」で発表されたmacOSの新しいメジャーバージョンだ。
このリリースでは「メール」や「メッセージ」、「Safari」といった日頃よく使うアプリケーションが大きく改善。連係カメラ機能でiPhoneをMacのWebカメラとして利用できるようになったのも注目すべき変更点だ。
また、「iPadOS 16」でも導入されている「ステージマネージャ」が、「macOS Ventura」でも採用。作業中のウィンドウだけ残して、他のアプリやウィンドウを自動で整理し、デスクトップの脇(左端)へ片付けられるようになった。デスクトップ脇に並んだタスクをクリックすれば、すばやくそのタスクへ切り替えられる。
リリースノートに記載されている新機能は、以下の通り。
- メール
- 送信の取り消し、送信のスケジュール設定、リマインダー、フォローアップの機能を使用して、より簡単にメールを管理することが可能
- より正確で完全な結果を返すように検索機能が改善され、入力し始めた瞬間から検索候補を表示
- Spotlight
- クイックルックに対応し、検索結果の上でスペースバーを押すと簡単にファイルのプレビューを表示することが可能
- 画像検索を使用して、Webにある画像と、写真、メッセージ、メモ、Finderにある画像を探すことが可能
- ミュージシャン、映画、企業、スポーツなどの豊富な検索結果を表示
- Safariとパスキー
- 共有タブグループで、複数のタブをほかの人と共有することができ、タブグループの更新は共同制作をしながら即時に確認可能
- パスワードに代わるものとして設計されたパスキーを使用して、より簡単で安全なサインインが可能
- メッセージ
- メッセージの編集、送信の取り消し、未開封にする機能で、日常的なメッセージのやり取りがより簡単に
- “メッセージ”でSharePlayを使用して、友達とメッセージをやり取りしながら映画やミュージックなどを一緒に楽しむことが可能
- 共同制作機能では、“メッセージ”を使ってファイルの共同作業への参加を簡単に依頼することができ、スレッドでアクティビティの更新情報を取得することが可能
- 写真
- iCloud共有写真ライブラリにより、写真とビデオを最大5人のファミリーメンバーと簡単に共有でき、個々のライブラリを“写真”アプリケーションにシームレスに統合することが可能
- ステージマネージャ
- ステージマネージャでアプリケーションやウインドウを自動的にまとめて、使用中のアプリケーションを中央に、ほかのアプリケーションを画面の左側に表示
- 開いているアプリケーションを画面の左側でクリックすると、簡単にアプリケーションの切り替えが可能
- 複数のアプリケーションをグループ化して、ステージマネージャ内にアプリケーションのセットを作ることが可能
- ステージマネージャで、素早くデスクトップにアクセスして簡単にファイルをアプリケーションにドラッグ&ドロップすることが可能
- FaceTime
- FaceTimeのHandoff機能により、MacからiPhoneやiPadに、またはiPhoneやiPadからMacにシームレスにFaceTime通話を引き継ぐことが可能
- 連係カメラ
- 連係カメラでは、iPhoneをMacに近づけてスタンドに立てると、iPhoneをMacのWebカメラとして使用することが可能(iPhone XR以降)
- ビデオと照明エフェクトでポートレートモード(iPhone XR以降)、センターフレーム(iPhone 11以降)、スタジオ照明(iPhone 11以降)を使用可能
- デスクビューでは、iPhoneの超広角カメラを使用して、ビデオ会議中に机の上にあるものを映し出すことが可能(iPhone 11以降)
- その他の変更と改善
- 世界時計、タイマー、アラームなどの機能を備えた“時計”アプリケーションがMacに加わり、すべてのAppleデバイス間で操作の一貫性が向上
- Macに“天気”アプリケーションが登場。大きなディスプレイに合わせて最適化され、臨場感あふれるアニメーション、1時間ごとの予報、詳細な天気マップの利用が可能
- 画像の被写体だけを背景から抜き出して、メールやメッセージなどのアプリケーションにコピー&ペーストすることが可能
- 集中モードフィルタにより、カレンダー、メール、メッセージ、Safari、他社製アプリケーションなどで気が散るようなコンテンツを表示しないようにすることが可能
- システム設定のデザインが一新されて操作しやすくなり、新しい名称に変更
- 緊急セキュリティ対応により、macOSの重要なセキュリティアップデートをこれまで以上に早く配布
セキュリティ関連の修正は、CVE番号ベースで112件。これには「Vim」「curl」などのオープンソースソフトウェアの脆弱性も含まれている。「iOS 16.1」のようなゼロデイ脆弱性こそないものの、任意コードの実行やセキュリティ機能のバイパス、特権昇格、情報漏洩、サービス拒否(DoS)などにつながるおそれがあるため、できるだけ早い対処が必要だ。また、旧OSにもセキュリティアップデートが提供されている。
- Safari 16.1(macOS Big Sur/Monterey)
- macOS Big Sur 11.7.1
- macOS Monterey 12.6.1
「macOS Ventura」は以下のデバイスに対応しており、無償でのアップグレードが可能。
- iMac:2017以降
- Mac Pro:2019以降
- iMac Pro:2017
- Mac Studio:2022
- Mac mini:2018以降
- MacBook Air:2018以降
- MacBook:2017以降
- MacBook Pro:2017以降
古いデバイス(おおむね2017年以前のもの)は「macOS Monterey」からアップデートできないので注意したい。