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「Android Studio Bumblebee」が正式リリース ~Androidアプリ開発環境の最新版

インストルメンテーションテストの改善、Wi-Fiデプロイ、対話モードの拡充など盛りだくさん

「Android Studio Bumblebee」(2021.1.1)

 米Googleは1月28日(現地時間)、「Android Studio Bumblebee」(2021.1.1)を安定版としてリリースした。Androidアプリの開発環境「Android Studio」の最新版となる。

 「Android Studio Bumblebee」は、「Android Studio Arctic Fox」に続くメジャーアップデート。「Arctic Fox」以降の「Android Studio」には動物の名前にちなんだ愛称がアルファベット順で付与される決まりになっており、2番目のバージョンとなる今回は「Bumblebee」(マルハナバチ)という名前が付けられている。次期バージョンは「C」から始まる「Chipmunk」(シマリス)となる予定。

 本バージョンではベースとなる「IntelliJ」開発プラットフォームが「2021.1」へとアップデートされたほか、ビルドとデプロイ、プロファイリングとインスペクション、そしてデザインの面で多くの改善が施されている。また、「Android Gradle plugin」(AGP)に関しても、「AGP 7.1.0」が安定リリースされた。

ビルドとデプロイ

 継続的インテグレーション(CI)においては、インストルメンテーションテスト(エミュレーターや実機に配置したテスト)で利用されるテストランナーが「AGP 7.1.0」に統一された。これまでは「IntelliJ」と「Gradle」でテスト結果が異なることが稀にあったが、そうしたフラストレーションから解放される。

従来のインストルメンテーションテストのフロー
統合されたインストルメンテーションテストのフロー

 また、新しいデバイスマネージャーが追加され、物理デバイスと仮想デバイスの両方を表示・管理できるようになった。物理デバイスではAndroid 11以降のデバイスへWi-Fi経由でシームレスに接続し、アプリをデプロイ・デバッグすることもできる。

Android 11デバイスへWi-Fi経由でシームレスに接続し、アプリをデプロイ・デバッグ

 そのほかにも、「Android Studio 4.1」で導入されたエミュレーターツールウィンドウが既定で有効化された。Apple Siliconのサポートも改善され、Android開発者ツールで「Rosetta 2」バイナリトランスレーションが不要となっている。

プロファイルとインスペクション

 アプリのリソース利用状況を分析するプロファイラーツールでは、アプリ内のジャンクを特定するためのデザインと機能を強化。レイアウトインスペクターではレイアウト階層のスナップショットのキャプチャーがサポートされ、あとで保存・共有・検査できるようになった。

レイアウトインスペクターではレイアウト階層のスナップショットのキャプチャーをサポート

デザイン

 デザイン関連では、プレビュー機能にインタラクティブ(対話)モードを追加。わざわざアプリをデバイスにデプロイしなくても、アニメーションやUI操作をプレビューできる。

インタラクティブ(対話)モードを追加。わざわざアプリをデバイスにデプロイしなくても、アニメーションやUI操作をプレビューできる

 そのほかにも、「AnimatedVectorDrawable」をサポート。デバイスピッカーもアップデートされ、代表的なAndroidデバイスを手軽に選択できるようになった。

 「Android Studio」はWindows/Mac/Linux/Chrome OSに対応しており、現在Android開発者向けのサイト「Android Developers」から無償でダウンロードできる。

ソフトウェア情報

「Android Studio」Windows向け安定版
【著作権者】
Google LLC
【対応OS】
64bit版を含むWindows 7/8/10
【ソフト種別】
フリーソフト
【バージョン】
2021.1.1(22/01/25)