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「Windows Terminal」プレビュー版に新しい描画エンジン、管理者権限でプロファイルを起動するオプションも

今後は単なる「Terminal」という名前へ

「Windows Terminal 1.12」

 米Microsoftは2月4日(現地時間)、「Windows Terminal 1.12」を正式公開した。今年初めてのリリースとなる。

 「Windows Terminal」は、Microsoftが主導でオープンソースとして開発しているターミナルアプリ(ライセンスは「MIT License」)。DirectWrite/DirectXベースのテキストレンダリングエンジンやUTF-16/UTF-8両対応のテキストバッファーを備えたモダンな設計、複数のシェル(PowerShell、WSL/Linuxなど)をタブで切り替えたり、ペインで画面分割して同時利用できるレイアウトの柔軟性、プロファイルベースの高いカスタマイズ性などが特徴だ。現在、「GitHub」や「Microsoft Store」から無償でダウンロードできる。

 「Windows Terminal 1.12」はアプリケーションの「デフォルトターミナル」として起動された際、状況に応じて最適なプロファイルを推測できるようになったほか、「Visual Studio」開発者シェルのプロファイルを自動で追加される。Windows 11ではアクリル効果なしの透明度がサポートされ、半透明表示の際のテキストの視認性が向上する。

 なお、「Windows Terminal」は今後、単なる「Terminal」という名前に変更されるとのこと。次期プレビュー版はすでに「Terminal Preview」という名前になっている。実行ファイルの名前は「wt.exe」のまま変更はない。

「Windows Terminal」は今後、単なる「Terminal」という名前に

 また、「Windows Terminal 1.12」は「Windows 10 バージョン 1903/1909」をサポートする最後のバージョンとなる見込み。開発チームはOSのアップグレードを呼びかけている。

「Terminal 1.13」プレビュー

 同日プレビュー公開された次期バージョン「Terminal 1.13」では、ユーザーインターフェイスのデザインがWindows 11準拠に改められた。とくに設定画面は大きく変更されており、OSの「設定」アプリを彷彿とさせるモダンな見栄えとなった。

とくに設定画面は大きく変更

 また、新しいテキストレンダリングエンジン「AtlasEngine」の実験が開始された。この新しいレンダラーは既存の「DirectWrite」汎用レンダラーよりも明らかに高速というわけではないが、いくつかのエッジケース、とくに多数の色を使用したテキストを表示する場合に効果を発揮するとのこと。試してみたい場合は、プロファイルごとに有効化できる。

新しいテキストレンダリングエンジン「AtlasEngine」の実験が開始

 さらに、プロファイルを自動的に管理者権限で起動できる設定も導入された。これを有効化すると、一般権限で動作中の「Terminal」で当該プロファイルを開いた場合、UACプロンプトがあらわれ、権限昇格を許可すると「盾」アイコンのついた「Terminal」ウィンドウでプロファイルが開かれる。

プロファイルを自動的に管理者権限で起動できる設定
「盾」アイコンのついた「Terminal」ウィンドウでプロファイルが開かれる

 そのほかにも、最後に閉じたペインやタブを元に戻す機能を追加。プロファイル設定でベルの音をカスタマイズできるようになった。また、WSLインスタンスにファイルをドロップすると、WSLに変換されたパスが挿入されるようになった。

 これらのプレビュー機能は、大きな問題がなければ来月の安定版リリースに組み込まれる。

ソフトウェア情報

「Windows Terminal」
【著作権者】
Microsoft Corporation
【対応OS】
Windows 10 May 2019 Update(バージョン 1903)以降
【ソフト種別】
フリーソフト
【バージョン】
1.12.10334.0(22/02/04)