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「RPGツクール」最新作「RPG Maker Unite」の仕様が一部発表 ~キャラアニメのパターン数が無制限に

ドット絵をイラスト風に拡大する外部ツールを採用し、過去作の素材も再利用可能

「RPG Maker Unite」ではアニメーションパターン数が可変に

 KADOKAWAグループの(株)Gotcha Gotcha Gamesは5月27日、PC・ゲーム機向けRPGゲーム制作ソフト「RPGツクール」シリーズの最新作「RPG Maker Unite」について、キャラクターアニメーションとマップ素材の一部仕様を発表した。リリースは2022年を予定。

 「RPG Maker Unite」は、ノンコーディングでRPGを制作できるツール。豊富なデジタルアセットから誰でも簡単にRPG制作を始められる。最新作ではシリーズで初めて、2D/3Dゲームエンジン「Unity」上で動作するようになり、「Unity」のモバイルアプリへのネイティブ出力に対応する。

「RPG Maker Unite」

 従来の「ツクール」シリーズでは、キャラクターアニメーションは3パターンまでが基本構成だったが、今作では画像の最大サイズ内(フィールド1,024×1,024px、サイドビュー4,096×4,096px)であれば、パターン数が無制限となる。ユーザーがコマ数や演出パターンを自由に設定することが可能。特に力を入れたい演出などをコマ数の多いモーションで導入すれば、サイドビュー戦闘をさらに盛り上げることができる。

 歩行キャラクター素材は、各モーションごとにファイルを分割して作成する形式に変更。上下左右それぞれ異なる画像データを作成し、指定したルールのファイル名(「<任意の文字>_<アニメーション名>_<コマ数>」)を設定する。今作ではファイル名から同一キャラクターの歩行アニメーション用素材と認識し、その結果、複数の素材ファイルから構成された1キャラクターの歩行演出が完成する。

フィールドキャラの歩行グラフィックス仕様と制作例
サイドビュー戦闘用のキャラグラフィックス仕様と制作例
デフォルトキャラのアニメ例。6-8コマで制作
歩行アニメーション素材のファイル名書式と記述例

 「RPG Maker Unite」はフルHD(1,920x1,080)が標準解像度。そのため、グラフィックス素材の仕様も従来とは異なる。マップ制作に使用する素材「タイルセット」は、データベースから「タイルセット」に使う画像ファイルを選んで構築していく要素を廃止。新たに「タイルデータの登録」、「タイルグループ」、「タイルグループの読み込み」が追加される。

 これにより、「タイルデータの登録」で登録したタイルセットに含まれるタイルを、「タイルグループ」でパレットのように使いやすくカスタマイズし、「タイルグループの読み込み」でマップに配置できるタイルを適時切り替えながらマップを作成可能になる。シーンに合わせてタイルグループを切り替え、タイルを配置できるので作業効率の向上が期待できる。

「タイル」と呼ばれる画像をエディタ上に配置し、ゲームに登場するマップを作成する
「タイルデータの登録」
「タイルグループ」
「タイルグループの読込」

 また今作では、ののの茶屋氏制作のアプリ「ぴくせるすけゐらぁ」を「RPG Maker Unite」の公式外部ツールの1つとして使用できる予定。「ぴくせるすけゐらぁ」は、ドット絵・ピクセルアートをイラスト調にして拡大する外部ツール。本アプリを利用することで、過去作の素材を「RPG Maker Unite」仕様にリサイズすることが可能だ。素材の微調整を行なうだけで使用できるようになる。さらに、過去シリーズをイメージした絵柄の制作も可能となる。

「ぴくせるすけゐらぁ」のUI

 そのほか、新たなデフォルトキャラクター「エミーリア」のグラフィックスも公開されている。厳かな雰囲気を漂わせる白を基調とした服が特徴的なクレリックで、戦場で負傷兵を癒す救護副師長と設定されている。

新たなデフォルトキャラクター「エミーリア」