ニュース
「Windows Defender」ウイルス対策が原因でIntel CPU環境のパフォーマンスが大幅に低下する問題
対策ツールがリリース
2022年6月30日 06:45
OSに組み込まれている「Windows Defender」ウイルス対策が原因で、Intel製CPUを搭載するデバイスのパフォーマンスが大幅に低下する問題が発生しているようだ。「GPU-Z」|n@@などのシステムユーティリティで知られるTechPowerUpが報じており、対策ツールが公開されている。
この問題に気づいたのは、「ThrottleStop」や「Real Temp」などの人気ユーティリティを手掛けるKevin Glynn氏だ。同氏は「Intel Core」プロセッサーのパフォーマンスカウンターを監視して、その状態をログに記録するツール「Counter Control」を開発していたが、その過程で「Windows Defender」ウイルス対策のリアルタイム保護中にハードウェアモニタリングルーツ「HWiNFO」が実行クロックの低下をレポートすることを発見した。
この現象が発生すると、「Cinebench」ベンチマークのスコアを1,000ポイント(6%)失うという。セキュリティソフトのリアルタイム保護はシステムのパフォーマンスに悪影響を及ぼすものだが、これは無視できないオーバーヘッドだ。
そこで氏が調査を進めたところ、「Windows Defender」のウイルス対策は「Intel Core」プロセッサーが提供する7つのハードウェアパフォーマンスカウンターのすべてをランダムに利用することがわかった。これには3つの固定機能カウンター(fixed-function performance counters)も含まれる。
こうしたカウンターは数の限られた共有リソースで、一般的なハードウェアユーティリティはこれを低い優先度(モード 3)で利用する。しかし、「Windows Defender」ウイルス対策は比較的優先度の高い「モード 2」で固定機能カウンターを占有してしまうため、システム全体のパフォーマンスが損なわれる。
この問題は第8世代、第9世代、第10世代、第11世代の「Intel Core」プロセッサー(デスクトップ向けおよびモバイル向け)を搭載するWindows 10/11環境で報告されている。AMD製のCPUには影響しない。
対策として有効なのは、「Windows Defender」ウイルス対策のリアルタイム保護を無効化してしまうことだが、これはセキュリティ上おすすめできない。前述の「Counter Control」に「Windows Defender」ウイルス対策がパフォーマンスカウンターを占有しているかどうかをチェックし、必要であればパフォーマンスカウンターをリセットする機能が備わっているので、それを利用するとよいだろう。
また、「ThrottleStop」の最新版v9.5を利用してもよい。このバージョンには[Windows Defender Boost]というオプションが追加されており、この問題を回避できる。
ソフトウェア情報
- 「Counter Control」
- 【著作権者】
- TechPowerUp
- 【対応OS】
- Windows 7/8/10/11(Intel製CPUのみ)
- 【ソフト種別】
- フリーソフト
- 【バージョン】
- 1.1(22/06/28)
- 「ThrottleStop」
- 【著作権者】
- TechPowerUp
- 【対応OS】
- Windows 7/8/10/11(Intel製CPUのみ)
- 【ソフト種別】
- フリーソフト
- 【バージョン】
- 9.5(22/06/28)