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「Google Chrome」は独自のルートストアへ ~「Chrome Root Program」の開始が発表

Windows/Macの「Chrome 105」よりロールアウト

公式ブログ「Chromium Blog」

 米Googleは9月19日(現地時間)、「Chrome Root Program」の開始を発表した。これまで「Google Chrome」は各プラットフォームのルートストアを利用していたが、それも独自のルートストア「Chrome Root Store」へ段階的に移行される。

 「Chrome」はデジタル証明書を使用してWebサイトとの間で送受信されるデータを暗号化し、安全かつプライベートな接続を確保している。デジタル証明書が正当なものかどうかは、それを発効した「認証局」(CA)に問い合わせて確認する。CAが他のCAを認証することもあるが、その大元をルートCAと呼ぶ。

 しかし、そのCAが本当に信頼のおけるものかどうかは、OSやアプリが判断する必要がある。そこで、OSや一部のアプリは信頼に足るCAをリストアップした「ルートストア」をもち、不正行為を行うCAがあればそれを削除する。

 「Chrome」はさまざまなプラットフォームで動作するが、ルートストアは基本的にそのプラットフォームが管理するものを利用していた。しかし、今後はそれを「Chrome」チームが管理することで、プラットフォーム間での差異をなくし、ユーザーと開発者の体験に一貫性を持たせることにしたという。

 「Chrome Root Program」ではシンプルに保つこと、自動化の推進、誤発行の削減、説明責任、最新のインフラとすばやい状況変化への対応、「ポスト量子」時代への準備といった理想が掲げられており、それを実現するため、透明性の高いポリシーが策定されている。

 ルートストア(Chrome Root Store)と証明書検証ツール(Chrome Certificate Verifier)の移行は、Windows/Macの「Chrome 105」よりロールアウトされる。つまり、一部の環境から段階的に解放されていくが、これは予期せぬ互換性問題を最小限に抑えるためだ。とはいえ、ほとんどのユーザーや企業、CA所有者にとって移行はシームレスに完了するとみられている。ローカルで証明書が管理されている場合は、「Chrome」でも信頼済みとみなされる。