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画像生成AI「DALL-E 2」を組み込んだグラフィックスデザインアプリ「Microsoft Designer」が発表

「Microsoft 365」ファミリーに追加。基本機能は無料

画像生成AI「DALL-E 2」でデザインを提案 ~「Microsoft Designer」が発表

 米Microsoftは10月12日(現地時間)、「Microsoft 365」初のグラフィックデザインアプリ「Microsoft Designer」を発表した。同じく「Microsoft 365」ファミリーに追加された無償のビデオ編集アプリ「Clipchamp」と同じくWebベースのアプリで、OpenAIの画像生成AI「DALL-E 2」を活用し、自然言語で指示するだけでさまざまなデザインを提案してくれる。

 「Microsoft Designer」は、「PowerPoint」でスライドを作成する際にデザインを提案してくれる「デザイナー」(デザインのアイデア)機能から生まれたアプリ。実際、80億枚以上のスライドデザインがこの機能で作成されているが、なかにはブログや動画のアイキャッチ画像、カード、チラシ、招待状、デジタルはがきなどを作成するために利用しているユーザーもいるようだ。

 そこで、これをWebベースの単体アプリとして「PowerPoint」から切り離し、拡張したのが「Microsoft Designer」といえる。このアプリには最先端の画像生成AI「DALL-E 2」が組み込まれており、最小限の労力でさまざまなデザインを即座に生成・提案できる。膨大なテンプレートからお気に入りのものを見つけ出す面倒はない。素人が作成したグラフィックスは挿入したテキストの大きさや間隔、配置が不揃いになることも多いが、それもAIが整えてくれる。

 「Microsoft Designer」は「designer.microsoft.com」で提供される。現在、プレビュー版への早期アクセスを受け付けているので、興味のあるユーザーは登録してみるとよいだろう。初期バージョンには予定されているすべての機能が実装されていないかもしれないが、フィードバックを取り入れながら完成度が高まっていくはずだ。

 アプリを一般提供する準備が整うと、「Microsoft Designer」は無料アプリとして解放され、「Microsoft 365 Personal」「Microsoft 365 Family」のサブスクライバーには、プレミアム機能が追加のコストなしに提供される。

 「Microsoft Designer」がオンラインアプリであるメリットは、他のアプリへ簡単に組み込めることだ。将来的には「Microsoft Edge」にも統合され、ソーシャルメディアへの投稿や電子メールのデコレーションなどにこのAIベースのグラフィックツールが利用できるようになるという。他のOfficeアプリへの展開も期待できるだろう。