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巨大メタバースイベント「バーチャルマーケット2022 Winter」が明日スタート

メタバース空間ならではのユニークな体験ができるブースを先行体験

「バーチャルマーケット2022 Winter」は12月3日より開催される

 (株)HIKKYは11月29日に「バーチャルマーケット2022 Winter」の発表を行なった。バーチャルマーケットはHIKKYがメタバース上で開催するイベントの1つだ。2018年8月にはじめて開催された「バーチャルマーケット1」から数えて、これまでに8回開催された。

 そして9回目になるのが12月3日より開催される「バーチャルマーケット2022 Winter」だ。「バーチャルマーケット2022 Winter」には今回で5度目の出展となるBEAMSや大丸松坂屋百貨店に加え、今回はJR東海(東海旅客鉄道)や、ヤマハ、三菱UFJモルガン・スタンレー証券といった企業が新規に出展し、全70社以上の企業が参加。22社が出展ブースを展開し、540サークル以上の一般出展が行なわれる。

 本記者会見には実際にこれらの出展企業から担当者が登壇し、今回の出展にかける思いや、メタバース上におけるVRイベントについてトークセッションを行なった。

 またオープンに先駆けてJR東海、ヤマハ、三菱UFJモルガン・スタンレー証券のブースの一部を体験することができたので、そのレポートもあわせてお伝えしたい。

【Vket2022Winter】ワールドプレビュー World Preview

メタバースへの可能性を熱く語るHIKKYと出展企業の担当者

記者会見に登壇したHIKKY・代表取締役の舟越靖氏

 記者会見に登壇したHIKKY・代表取締役の舟越靖氏は「メタバース」は今後縮小して幻滅期に入っていくと発表したガートナージャパンが発表した「ハイプサイクル」を紹介した。『ですがそれは本当でしょうか?』と会場に問いかける。

 舟越氏は『メタバースにはARやVR、さらにアプリサービスまで様々な概念が混在している。それが全て落ちるとは思わない。インターネットやSNSも最初は流行らないと言われていました。結果はそんなことありませんでしたよね? メタバースは全く新しいものなので、既存の価値観では語れないのです。』と熱く語った。

 『メタバースでは、デジタル空間に友達と買い物に遊びにいって楽しかったという体験や、企業・個人が共にお店を作ってそこでモノを販売する、さらには場合によっては人がデジタル空間に入って働いて給料を稼ぐ。そういった事が実現しているのです』とメタバースならではの新しい体験や新しい現象があると話した。

バーチャルの接客など、メタバース空間だからこそできる体験や新しい事象があると話す

 その後実際に今回の「バーチャルマーケット2022 Winter」に出展する企業からJR東海、ヤマハ、三菱UFJモルガン・スタンレー、大丸松坂屋百貨店、BEAMSの担当者が登壇し、トークセッションが行なわれた。

 メタバースへの参入を決めたきっかけについて、JR東海の川田啓貴氏は『JR東海は新幹線や駅など親しみのある資産を持っています。そういったリアルの世界にある資産をバーチャルの世界に再現することで、リアルとバーチャルを融合した新しい体験価値やサービスの提供を模索できると考えて出展を決めました』と話した。

 続いてヤマハの浦川美穂氏は『新しいお客様を探していくことを目的としています。バーチャル空間を通すことで若い方やクリエイターの方などより広いお客様に繋がっていきたいです』と話す。

 そして三菱UFJモルガン・スタンレー証券の堀川賢治氏は『事業分野の関係上これまでネットやメタバースと遠く取り組みが遅れてきました。そこを反省し色々なチャレンジをしていかなければという思いから舵を切りました』と今回の出展の目的について話す。

 続いて5回目の出展となる大丸松坂屋百貨店の西阪義晴氏はこれまでの手応えとして『百貨店の楽しさ・歴史・空間価値を仮想空間で表現するべく取り組んできて、ユーザーの方々の興味関心の強さを感じています』と話した。

 同じく5回目の出展となるBEAMSの木村淳氏は、『ECサイトの延長線という思いで参入したのですが、メタバースにはECサイトにはないここだから生まれるコミュニケーションや感動体験を生み出せることがわかりました。リアルでの接客の強みを生かしてバーチャルからリアルへの導線づくりもできています』と振り返る。

 出展企業により目的や思いは異なるが、メタバースの可能性やメタバースならではの強みを感じていることがわかったトークセッションだった。

JR東海、ヤマハ、三菱UFJモルガン・スタンレー、大丸松坂屋百貨店、BEAMSの担当者が登壇し、トークセッションが行なわれた

企業ブースはメタバース空間ならではのユニークな体験が楽しめた!

 続いて「バーチャルマーケット2022 Winter」の一部としてJR東海、ヤマハ、三菱UFJモルガン・スタンレー証券のブースを先行体験できた。

名古屋駅を再現したJR東海の出展ブース

 JR東海の出展ブースは名古屋駅をバーチャル空間上に再現したブースになっている。構内にはリアルの駅と同様に様々なブースやポスターが飾ってあり、リアルに名古屋駅を訪れたような感覚を味わえた。

 また改札を通り抜けホームに出ると「リニア中央新幹線(L0系改良型試験車)」と「東海道新幹線(N700S)」が停車しており、実際に乗車することもできた。その行く先はなんと宇宙という夢がある体験で、さらに乗車中にはあるサプライズがあった。ネタバレを防ぐために詳細は伏せさせていただくが、バーチャル空間だからこそできる演出という印象だ。

リアルに再現されたJR名古屋駅を体験できた
ホーム上には宇宙行きの新幹線が停車している。乗車することも可能だ

ダンスや初音ミクと写真撮影ができるヤマハの出展

 続いて体験したのはヤマハの出展ブースだ。ヤマハ銀座店をモチーフにしたというブースは3フロアに分かれている。入口入ってすぐの1階では3Dの楽器が展示されており、精巧に再現された楽器を見て楽しんだり、実際にアバターで3Dの楽器を持つこともできた。また試奏体験も可能とのことで、友達と一緒に遊びにいけば実際にセッションをしているような体験が楽しめそうだ。

 2階には「初音ミク」や「Megpoid(メグッポイド)」のパネルが展示してあり一緒に写真撮影をしたり、アバターがボカロプロデューサーのピノキオピー氏の代表作「神っぽいな」にあわせてダンスをする仕組みなどがある。地下1階は実際のスタジオを模した空間で、会期中はバーチャルライブなどが行なわれる。

ヤマハ銀座店をモチーフにしたというブース
自分のアバターがダンスする仕組みなどもある

そり滑りができる三菱UFJモルガン・スタンレー証券のブース

 そして三菱UFJモルガン・スタンレー証券のブースではドーム状の建物内に株価を表示するボードと、たくさんのモニターとPCが並ぶ「ディーリングルーム」を表現したブースとなっていた。

 ブースの中央からはフランスの雪山にワープができ、その先ではソリ滑りができるユニークなものも用意されていた。ここでソリ滑りをすると横で雪玉が転がりながら大きくなっていく。これは徐々に膨らんでいく資産運用を表現しているとのことで、メタバース空間らしいユニークな表現だと感じた。

「ディーリングルーム」を表現したブースが印象的だ
バーチャルソリ滑り体験ができるのもユニークだった

 「バーチャルマーケット2022 Winter」は12月3日10時から12月18日の23時までVRChat内特設ワールドで開催される。参加費は無料だ。