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パスワード不要、スマホの指紋認証でPCサイトへログイン ~「Google Chrome 108」が「パスキー」に対応

Windows 11、macOS、Androidで

「Google Chrome 108」が「パスキー」に対応

 米Googleは12月2日(現地時間)、「Google Chrome 108」安定版で「パスキー」(passkeys)をサポートしたと発表した。Windows 11、macOS、Androidで利用できる。

 パスキーは、パスワードなしで簡単にログインできるようにする仕組み。初回利用時に登録を済ませて(パスキーを生成して)しまえば、次回からはPCのWebサイトへログインする際、スマホの認証システム(PIN、顔・指紋認証など)でログインするといったことが実現できる。スマホのロックを解除する気安さで、安全にWebサイトを利用できるようになるわけだ。

「パスキー」の運用例。まず、Webサイトでアカウントを作成する。とりあえず必要なのはIDのみ。今回は「別のデバイス」(Android)でパスキーを生成する
QRコードをAndroidデバイスで読み取る
Androidデバイスでパスキーを生成
次回からはPCでWebサイトへログインする際に、Androidデバイスの指紋認証が利用できる
Androidデバイスで通知を受け取り、指紋で認証

 パスキーの生成やログインの過程にパスワードは不要で、当然、パスワードを自分で作成したり、それを記録・管理しておく手間はない。Webサーバーが攻撃を受けて、パスワードが漏洩してしまうこともない。また、SMSなどを用いたワンタイムパスワードよりもセキュリティが高く、フィッシング攻撃に強いといった利点もある。

 生成したパスキーは、Androidの場合「Google Password Manager」(OS内蔵のパスワード管理)で同期される。将来的には「パスキー」に対応するパスワード管理ソフトでも安全に同期できるようにするとのこと。

Androidのパスワード管理機能に保存されたパスキー

 パスキーは公開鍵や「WebAuthn API」、FIDOといったオープンな標準技術をベースとしており、Google(Android、Chromebook)だけでなく、Microsoft(Windows)やApple(Mac、iPhone、iPad)の製品でも利用できる。同社は今後、iOSとChrome OSでもパスキーを利用できるように作業を進めていくとしている。