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AMD製プロセッサーに複数の脆弱性 ~Athlon、Ryzen、Threadripperなどに影響

マザーボードベンダーからBIOSのアップデートが提供され次第適用を

同社のサポートページ

 米AMDは1月10日(現地時間)、同社製プロセッサーに複数の脆弱性が発見されたことを明らかにした。さまざまなサードパーティーと協力しながらセキュリティ監査を行った結果、発見されたものだという。

 今回明らかにされた脆弱性は、以下の3件(括弧内は深刻度の評価)。

  • CVE-2021-26316:BIOSの通信バッファーと通信サービスの検証に不備があり、攻撃者によりバッファーが改竄され、SMM(System Management Mode)の任意のコードを実行される可能性がある(High)
  • CVE-2021-26346:ASP(AMD Secure Processor)ブートローダーの整数オペランド検証に不備があり、攻撃者がSPIフラッシュのL2ディレクトリテーブルで整数オーバーフローを引き起こし、サービス拒否状態に陥らせることができる可能性がある(Medium)
  • CVE-2021-46795:「TOCTOU」(time-of-check to time-of-use)脆弱性により、攻撃者が侵害されたBIOSを用いてTEE OSで範囲外のメモリの読み取りを行い、サービス拒否を引き起こす可能性がある(Low)

 どの脆弱性が影響するかはプロセッサー(CPU)のブランドや型番によって異なるが、モバイルに採用されている「Athlon」、デスクトップでよく利用されている「Ryzen」、ワークステーション向けの「Ryzen Threadripper」など、幅広い製品で「AGESA」(同社製CPU向けのファームウェアに相当)のアップデートが行われている。

 新しいバージョンの「AGESA」は、マザーボードベンダーからBIOSのアップデートとして提供される。AMD製のプロセッサーを利用しているユーザーは、ベンダーから対策済みのBIOSが提供されているか確認し、機を見て適用しておきたい。