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「LibreOffice 7.5 Community」が公開 ~DeepL翻訳を追加、アイコンも新しく

無償で利用できる本格オフィス統合環境

The Document Foundation、「LibreOffice 7.5 Community」を公開

 The Document Foundation(TDF)は2月2日(中央ヨーロッパ時間)、オープンソースのオフィス統合環境「LibreOffice 7.5 Community」を公開した。「LibreOffice 7.4」の後継となるメジャーアップデートで、いくつかの新機能が追加されている。

ワープロソフト「Writer」

 まず、ワープロソフト「Writer」ではフォーム機能が拡充された。新しいコンテンツコントロールとしてプレーンテキストやコンボボックスが追加できる。プレーンテキストコントロールはたとえばユーザーに氏名などの情報を入力させる場合など、書式付きのテキストを制限したいときに便利だ。また、PDFフォームの品質も改善されているという。

ワープロソフト「Writer」ではフォーム機能が拡充

 そのほかにも、ブックマークが改善された。見やすいように色を変更したり、挿入ダイアログでブックマークを編集することが可能。実験的機能として[ツール]メニューに自動でアクセシビリティチェックを実施するオプションが追加され、問題がある場合にステータスバーへ警告が表示されるようになった([オプション]-[詳細]画面の[実験的な機能を有効にする]オプションの有効化が必要)。「DeepL」のAPIを用いた翻訳機能も導入されている(別途APIキーなどが必要)。

自動でアクセシビリティをチェック
「DeepL」のAPIを用いた翻訳機能

表計算ソフト「Calc」

 表計算ソフト「Calc」における目玉は、チャートでデータテーブルがサポートされたこと。グラフの下部へ、ラベルだけでなく実際の数値を表示することができる。

 チャートにデータテーブルを追加する場合は、[挿入]コマンドを利用する。その際、ダイアログで表示のカスタマイズが可能。X軸の右クリックメニューから挿入・削除することも可能だ。

チャートでデータテーブルがサポート

 そのほかにも、関数ウィザードで説明文による検索が行えるようになるなど、細部の見直しが行われている。

スライド作成ツール「Impress」

 スライド作成ツール「Impress」には、テーブルスタイルをカスタマイズしたり、マスターエレメントとしての保存、エクスポートする機能が累加された。ナビゲーターでオブジェクトをドラッグ&ドロップしたり、スライドに挿入されたビデオをトリミングして再生したり、プレゼンターコンソールをフルスクリーンではなく、通常のウィンドウとして表示することもできる。

「LibreOffice」全般

 最後に全般的な変更として、ダークモード対応が改善。アプリケーションとMIMEタイプに新しいアイコンが追加され、従来よりもカラフルで鮮やかになった。

アプリケーションとMIMEタイプに新しいアイコンが追加(左がアプリ、中央がMIMEタイプ、右はmacOS固有)

 また、スタートセンターにドキュメントの種類をフィルタリングする機能を追加。ダイアログのデザインを改善し、macOSで埋め込みフォントをサポートするなど、フォント関連の強化も含まれている。

スタートセンターにドキュメントの種類をフィルタリングする機能

 「LibreOffice 7.5 Community」はWindows/Mac/Linuxなどに対応する寄付歓迎のフリーソフトで、現在「libreoffice.org」から無償でダウンロード可能。Windows版はWindows 7/8/10およびWindows Server 2012をサポートしており、窓の杜ライブラリからもダウンロードできる。「Apple Silicon」(M1)でのネイティブ動作も可能。

 なお、新しい機能よりも安定性と互換性を優先したいユーザーは「LibreOffice 7.4」シリーズの利用が推奨されている。執筆時現在の最新版は、1月末にリリースされた「LibreOffice 7.4.5 Community」

ソフトウェア情報

「LibreOffice」v7.5系統
【著作権者】
LibreOffice contributors
【対応OS】
Windows 7/8/10およびWindows Server 2012
【ソフト種別】
フリーソフト(寄付歓迎)
【バージョン】
7.5.0(22/08/18)