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PC⇔Androidのファイル送信が簡単に ~Windows版「Nearby Share」アプリがベータ公開

iPhone/iPadの「Airdrop」に相当する機能

Google、Windows版「Nearby Share」アプリをベータ版として公開

 米Googleは3月31日(現地時間)、Windows版「Nearby Share」アプリをベータ版として公開した。PCとAndroidデバイス、Chromebookとの間で、写真やドキュメントをワイヤレスで簡単に送受信できるようになる。

 「ニアバイシェア」(Nearby Share)は、Androidに搭載されているコンテンツの近接共有機能。iPhone/iPadの「Airdrop」に相当する機能で、スマホやタブレットでちょっとしたファイルのやりとりがしたい場合に役立つ。最近では「Chrome OS」でもサポートされており、Windowsへの対応を望む声も少なからずあった。

要件とセットアップ

 Windows版「Nearby Share」アプリは、Windows 10以降で利用可能。米国および世界の一部地域で展開されるとのことだが、編集部にて日本でも利用できることを確認している。

Windows版「Nearby Share」アプリ

 ただし、ARMデバイスには対応しない点には注意したい。そのほかにも、以下の要件が課せられている。

  • 「Android 6.0」以降のデバイス
  • 双方のデバイスでWi-FiとBluetoothが有効化されている
  • 双方のデバイスが同じネットワークに参加している
  • 双方のデバイスが16フィート(5m)以内にある

 なお、「Google アカウント」は基本的に不要。ただし、共有相手を連絡先に登録されている相手のみに限定したい場合は、ログインが必要となる(後述)。

初期セットアップ画面。デバイス名と受信を許可する範囲を指定する

 セットアップは簡単で、他のユーザーに公開されるデバイスの名前と、受信を許可する範囲を指定するだけだ。送信は誰に対しても行えるが、受信側はそれを拒否する(送信先としてリストアップされないようにする)ことが可能で、以下の4つのオプションが選べる。

  • 誰にも公開しない:共有を受信しない
  • あなたのデバイス:自分が所有するデバイスからのみ共有を受信する。「Google アカウント」へのログインが必要
  • 連絡先:連絡先に登録されているユーザーからのみ共有を受信する。「Google アカウント」へのログインが必要
  • 全員:誰からの送信でも受け付ける。常に有効化するモードと、数分で自動的に無効化する「一時的」なモードがある

 公開設定を「全員」にすると利便性は高まるが、できるだけ狭い範囲に限定しておいたほうがプライバシーやセキュリティの観点からは好ましいといえる。

公開範囲は4つから選択可能。一部オプションは「Google アカウント」でのログインが必要となる

PCからAndroidへの共有

 PCからAndroidへ「ニアバイシェア」するには、まずアプリにファイルやフォルダーをドロップする。ファイルの右クリックメニューで[ニアバイシェアで送信]コマンドを選択してもよい。

アプリのメイン画面。ファイルやフォルダーをドロップすれば、送信が開始される
ファイルの右クリックメニューも利用可能

 送信するコンテンツを指定すると、アプリで付近のデバイスの探索が開始され、送信可能なデバイスが列挙される。送信先のデバイスを選択するとPINコードが発行されるので、受信側に表示されるPINコードと一致しているのを確かめよう。あとは受信側で共有を承認すれば、コンテンツの送信が開始される。

アプリで付近のデバイスの探索が開始され、送信可能なデバイスが列挙される
受信側で共有を承認すれば、コンテンツの送信が開始される

 もしうまくいかない場合は、受信側のデバイスで「ニアバイシェア」が有効になっているか、公開範囲が適切に設定されているか、デバイスのロックが解除されているかを確かめよう。

もしうまくいかない場合は、「ニアバイシェア」の設定を確認

AndroidからPCへの共有

 逆にAndroidからPCへ「ニアバイシェア」する場合は、まずPC側でアプリを起動し、公開オプションが適切に設定されていることを確認する。

まずPC側でアプリを起動し、公開オプションが適切に設定されていることを確認

 次にAndroidデバイス側でコンテンツを開き、共有メニューで「ニアバイシェア」を選択する。すると送信先としてPCがリストアップされるので選択しよう。

Androidデバイス側でコンテンツを開き、共有メニューで「ニアバイシェア」を選択

 あとはPC側でPINコードを確認し、共有を承認すれば、コンテンツの送信が開始される。コンテンツの保存先は既定でダウンロードフォルダーとなっているが、これは設定画面から変更できる。

PC側で共有を承認
ダウンロードフォルダーへコンテンツが保存される

 「ニアバイシェア」があれば、スマートフォンで撮影した写真をPCの大画面で楽しむのも簡単だ。また、PCで編集したコンテンツを外に持ち出したいときにも役立つだろう。相手が自分のデバイスを発見し、共有できるかどうかを完全にコントロールできるほか、転送がエンドツーエンド暗号化(E2EE)で保護されるので、安心して利用できるのも利点といえる。

ソフトウェア情報

「Google の Nearby Share」ベータ版
【著作権者】
Google
【対応OS】
Windows 10以降
【ソフト種別】
フリーソフト
【バージョン】
1.0.787.0