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Microsoftクラウドサービスのドメインが大規模引っ越し ~「cloud.microsoft」へ集約

「outlook.office.com」は「outlook.cloud.microsoft」に

肥大化しつつあるMicrosoftのクラウドサービスドメイン

 米Microsoftは4月26日(現地時間)、「Microsoft 365」アプリおよびサービスのドメインを「cloud.microsoft」へ集約する方針を明らかにした。当初は新たに立ち上げられるサービスのみが対象となるが、いずれは既存のサービスでもドメインの移行が行われる見込み。

 同社はここ数年、事業のリソースをクラウドサービスへ集中しており、その規模はますます増加の傾向にある。しかし、その過程で管理するドメインの数も増えており、最近では数百にも及ぶ。こうした断片化は開発側の負担になることはもちろん、エンドユーザーにとってもナビゲーションや管理、クロスアプリ体験の開発の面で好ましいことではない。

各サービスのドメイン名は「<サービス名>.cloud.microsoft」に

 そこで、認証されたユーザー向けの「Microsoft 365」アプリおよびサービスのドメインを「cloud.microsoft」へ集約することになった。各サービスのドメイン名は「<サービス名>.cloud.microsoft」となる。

  • outlook.office.com → outlook.cloud.microsoft
  • onenote.com → onenote.cloud.microsoft
  • teams.microsoft.com → teams.cloud.microsoft

 「.microsoft」は同社が管理するトップレベルドメイン(TLD)で、Microsoftの正規サービスであることがわかりやすく、フィッシング対策にもなる。セカンドレベルドメイン(SLD)はなんでもよかったようだが、「Microsoft 365」をはじめとする傘下サービスにふさわしい意味を持ち、かつ耐久性、拡張性、中立性を備えた用語として「cloud」が採用された。今後はマーケティングやサポートなどのコンテンツは「microsoft.com」で、SaaS(Software as a Service)アプリは「cloud.microsoft」で、という棲み分けが進んでいくだろう。

 同社のクラウドサービスはリダイレクトや遅延などが目立ち、競合と比べてパフォーマンスや使い勝手の面で劣ることが指摘されていたが、ドメインの簡素化・統一により改善が期待できる。また、IT管理者がアクセス許可リストを管理する手間も大きく軽減されるだろう。ドメインの移転によりリンクやブックマークが機能しなくなるという懸念はあるが、それに関しては長期的なリダイレクトを実施するとのことなので、あまり大きな問題にはならないだろう。