ニュース
そのスライドは色覚異常でも見える? 「PowerPoint」のアクセシビリティ機能が強化
Windows/Mac版、Web版でテストを開始
2023年6月7日 12:45
米Microsoftは5月19日(現地時間)、Windows/Mac版「PowerPoint」の[アクセシビリティ]リボンを改善したと発表した。[アクセシビリティ]リボンは誰からも見やすいプレゼンテーションを作成するためのチェックツールがまとめられており、[校閲]-[アクセシビリティ チェック]コマンドを実行し、アクセシビリティチェッカーペインへアクセスすると表示される。
今回の改善により、アクセシビリティチェッカーペインを開いているときだけでなく、代替テキストペインや読み上げ順序ペインを開いているときにも[アクセシビリティ]リボンが表示されるようになった。個別のチェックツールを利用しているときでも、リボンが使えるようになったわけだ。
また、新しいコマンド[色なしで検査]が追加された。これを利用するとスライドがモノクロになり、色覚異常を抱えるユーザーがコンテンツを判読できるかを確かめることができる。
そのほかにも、スライドに含まれる画像を[装飾用にする]コマンド、[ヘッダー行の挿入][ヘッダー列の挿入]コマンドが導入された。
[装飾用にする]オプションは、挿入されている画像に特別な意味がなく、単なる装飾であることを示すマーク。これが付いた画像は、代替テキストを含めなくてもよくなる。
[ヘッダー行の挿入][ヘッダー列の挿入]は、テーブルにヘッダーを追加するための専用コマンド。一般の行・列を追加して装飾するよりも簡単で、アクセシビリティチェッカーに「ヘッダーを付けよ」と指摘されることもなくなる。
この機能はまず、「Microsoft 365 Insider」の以下のバージョンでテストされる。大きな問題がなければ、通常版にも導入される見込みだ。
- Windows:最新チャンネル(プレビュー)の「バージョン 2304」(Build 16327.10000)およびそれ以降
- Mac:最新チャンネル(プレビュー)の「バージョン 16.72」(ビルド23040900)およびそれ以降
- 「PowerPoint for the web」のデスクトップユーザー
同社は公衆の場でプレゼンテーションを行ったり、スライドを共有する際は、障害を抱えたユーザーもコンテンツを読めるよう、アクセシビリティに配慮するよう呼び掛けている。