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もっと活躍できる!「Microsoft 365のアクセシビリティ」で変わる働き方

~実はあった「こんな機能」で、誰でも快適な環境に~

Windowsや「Microsoft 365 アプリ」が搭載しているアクセシビリティ機能の例。以下で詳しく紹介するが、「そんな機能関係ない」とつい思ってしまう人を含め、実は様々な人が便利に使える機能だ。

“歳のせいでPCの文字が見えづらくなってきた”

“利き腕を怪我して、キーボードが使えない”

“カーソルを時々見失ってしまう”

このように今まで当たり前にできていたことが何らかの理由でできなくなり、「働きづらさ」に変わってしまうことは誰にでも起こり得る。

そんなとき、個別にできる対応のひとつとして知っておきたいのが「アクセシビリティ」だ。なかでも、Windows やMicrosoft 365 Apps のアクセシビリティ機能はこの数年でかなり充実しており、働き方や学び方の選択肢を広げている。働き方が多様化し、ワークスタイルも変わった今、個人が抱える働きづらさに向き合うのは、ビジネスパーソンとして、また企業として当たり前になってきている。そんな「アクセシビリティ」に改めて注目してみよう。


「働きづらさ」は個人の問題ではない。適切な合理的配慮が求められること

年齢や身体的な理由、生活環境の変化などによって、誰でも「働きづらさ」を感じることは起こり得る。そんなとき、「個人の問題だから、個人で解決すべき」と捉えてはいけない。今の時代は、合理的配慮が当たり前となっており、個人も、企業も対応していくことが求められているからだ。

強調したいのは、働きづらさを抱えた人に対して、一律で支援を提供するのではなく、それぞれ個人の状況や状態に合わせて支援や配慮が提供されること。合理的配慮とはそうしたもので、障碍のあるなしに関係なく、一人ひとりの特徴や場面に応じて発生する障碍・困難さを取り除くための個別対応を意味する。

合理的配慮とは、人によって異なる支援を提供する「公正」の状態を意味する。一方で、誰もが利益を受けられる「環境」を想定し準備しておく、いわゆるユニバーサルデザインも重要だ。

では、なぜ今、そうした合理的配慮が求められているのだろうか。背景のひとつにあるのは、障碍に対する考え方の変化だ。昔と違って今は、"障碍とは個人のみに起因するものではなく、周りの社会環境との相互作用によって生まれる状態"という考え方が国際標準になっている。

ゆえに、「働きづらさ」や「使いづらさ」といった困難さは誰にでも起こり得るものと捉えられており、法律的にも2021年5月から施行された改正障害者差別解消法の中で、国・地方自治体、事業者は合理的配慮を提供することが法的義務となっている(※)

※事業者に対しては今まで努力義務であったが、令和3年5月から法的義務に変更した。

また、支援が必要な人にサポートが届いていないという事実もある。米マイクロソフトが発表した「GLOBAL DIVERSITY & INCLUSION REPORT 2022」によると、世界で障碍を抱えている人は10億人以上も存在するが、必要な支援を入手できているのはそのうちの10人に1人という数字もある。

障碍を抱えている人は世界で10億人以上も存在するが、支援を入手できているのは10人に1人

こうした状況から、すべての企業や個人が合理的配慮に対応できるかどうかが問われるようになってきており、オフィスビルなどの働く環境だけでなく、利用するPCやソフトウェアにまで合理的配慮が求められるようになってきている。

一方で、そもそも合理的配慮に対しては、多様な働き方・環境を実現することは企業にとっても強みになるという点も強調しておきたい。

一例として、2018年にアクセンチュアと米国障碍者協会が共同で実施した調査によると、インクルーシブな組織を実現している企業は、4年間平均の競合比較で28%利益が高く、純利益も2倍、経済利益率も30%高いことがわかった。

インクルーシブな組織を実現している企業は競争力が強い

つまり、様々な人が働けるよう、合理的配慮に対応できる環境を築くことは個人の活躍の場を広げることにつながり、生産性の向上や離職率の軽減、人材確保など企業にメリットをもたらすといえる。

そこで、改めて注目したいのが合理的配慮に欠かせない「アクセシビリティ」だ。身体の状態や能力の違いによらず、様々な人が同じように利用できるアクセシビリティを築いていくことが求められており、マイクロソフトは長年、この分野に力を入れてきた企業。さまざまな団体などに支援プログラムを提供しながら、合理的配慮に対応できる製品や機能を充実させている。


こんな機能あったの?Windows 11 のアクセシビリティ

ここからは具体的な手段のひとつとして、Windows 11のアクセシビリティ機能を中心に紹介しよう。

「設定」アプリの[アクセシビリティ]ページ

なかでもWindows 11は、これまでのWindowsと比較してもアクセシビリティに注力しており、これまでは「設定」で「簡単操作」となっていた項目が「アクセシビリティ」に改められ、関係する設定がここに集約された。設定画面も整理されており、以前のバージョンよりも使いやすさを実感できるだろう。ここをクリックすると「設定」アプリの[アクセシビリティ]ページを開くことができる(Windows 10および11のみ)。

●Windows 11のアクセシビリティ機能一覧
  • 視覚
    ・テキストのサイズ:Windows とアプリ全体に表示されるテキストサイズ
    ・視覚効果:スクロールバー、透明度、アニメーション、通知タイムアウト
    ・マウス ポインターとタッチ:マウス ホインターの色、サイズ
    ・テキスト カーソル:外観と太さ、テキスト カーソル インジケーター
    ・拡大鏡:拡大鏡読み取り、ズームレベルの増分
    ・カラーフィルター:色覚障害フィルター、グレースケール、反転
    ・コントラスト テーマ:弱視、光線過敏症のための配色テーマ
    ・ナレーター:言声、詳細度、キーボード、点字
  • 聴覚
    ・オーディオ:モノラル オーディオ、オーディオ通知
    ・字幕:スタイル、ライプキャプション
  • 操作
    ・音声認識:音声アクセス(現在は米国英語のみ)、音声入力、Windows音声認識
    ・キーボード:固定キー、フィルターキー、切り替えキー、オンスクリーンキーホード
    ・マウス:マウスキー、速度、加速設定
    ・視線制御:視線トラッカー、音声合成

また、以下の機能は[クイック設定]パネルからも利用可能。必要なときはここから有効化するとよいだろう。

  • 拡大鏡
  • カラー フィルター
  • ナレーター
  • モノラル オーディオ
  • ライブ キャプション
  • 固定キー機能

[クイック設定]パネルは、デスクトップ右下の時計左隣にあるサウンドとネットワークのアイコンをクリックすると現れる。[アクセシビリティ]パネルへ移動すると、各機能をON/OFFするためのトグルスイッチや、「アクセシビリティ」設定の画面へ開くリンク(その他のアクセシビリティ設定)にアクセスできる。

デスクトップ右下からアクセスできる[クイック設定]パネル
[アクセシビリティ]パネルへ移動すると、各機能をON/OFFするためのトグルスイッチなどへアクセスできる

アクセシビリティツールを意図せず起動してしまった場合も、このパネルを開きオフにするとよい。


ちょっとした困りごとに役立つWindows 11のアクセシビリティ機能

Windows 11には画面の情報を読み上げる「ナレーター」や、日本語でPCを操作できる「音声入力」、標準のキーボード操作が困難なユーザーを支援する「固定キー」「フィルター キー」、マウスではなくテンキーでカーソルを操作できる機能など、多くのアクセシビリティ機能が搭載されている。今回は、そのなかでもちょっとした困りにも役立つツールをいくつかピックアップしよう。

・テキストのサイズ
年齢を重ねるとどうしても目が悪くなったり、PCのテキストを見るのがつらくなったり、マウスカーソルがどこへ行ったのかわからなくなることがある。

そこでWindows 11にはテキストのサイズを調整する機能が備わっている。[アクセシビリティ]-[テキストのサイズ]ページでスライダーを調整し、[適用]ボタンを押すと画面のテキストサイズを大きくすることが可能だ。

[アクセシビリティ]-[テキストのサイズ]ページ。スライダーでPCで表示するテキストのサイズを調整できる
テキストのサイズを大きくした様子。初期状態(100%)よりも読みやすい

・マウスとテキストのカーソル

[アクセシビリティ]-[マウス ポインターとタッチ]ページ

マウスカーソルがどこへ行ったのかわからなる場合は、[アクセシビリティ]-[マウス ポインターとタッチ]ページでマウスカーソルのカスタマイズが行える。色を反転色にしたり、派手な色にしたり、カーソルのサイズを思いっきり大きくしたりできるので、自分にとって見やすいデザインを探してみよう。

ただし、マウスカーソルを大きくしすぎると、逆にどのポイントを指しているのかがわかりにくくなったり、カーソルに隠れてユーザーインターフェイスが見づらくなってしまうので注意したい。また、マウスを握ることがむずかしい人は、マウスキー機能を使えばテンキーをマウスにすることができる。

そのほかにも、「タッチ インジケーター」を有効化して、タッチパネルの入力箇所に円を描くようにすると、どこをタッチしたのか、正しくタッチできたのかがわかりやすくなっておすすめだ。他者にもタッチしている場所を視覚的に示せるので、プレゼンでも有効だ。

また、[アクセシビリティ]-[テキスト カーソル]ページでキャレット(テキスト編集画面の文字挿入位置に表示される縦棒)のスタイルをカスタマイズすれば、テキストの入力中にキャレットがどこに行ったのかわからなくなってしまうことも減るだろう。

「タッチ インジケーター」を有効化するのもおすすめ
[アクセシビリティ]-[テキスト カーソル]ページでキャレットのスタイルをカスタマイズ

・拡大鏡

[アクセシビリティ]-[テキスト カーソル]ページでキャレットのスタイルをカスタマイズ

拡大鏡」は古くからWindowsに搭載されているツールで、名前の通りデスクトップを拡大表示する。文字が小さくて見づらい場合はもちろん、他の人にデスクトップ画面を見せて説明するような場合にも役に立つ。あらゆる人にとって見やすくできる機能なので、ぜひ使い方を覚えておきたい。

「拡大鏡」は「設定」アプリや「クイック設定」から有効化できるが、ツールの性質上、必要なときにすばやく起動し、要らなくなったら閉じておきたいもの。キーボードショートカットが用意されているので、覚えておくと便利だ。

  • [Windows]+[+]キー:「拡大鏡」の起動と表示の拡大
  • [Windows]+[-]キー:表示の縮小
  • [Windows]+[Esc]キー:「拡大鏡」の終了

ズームレベル(表示の拡大と縮小)は、[Ctrl]キーと[Alt]キーを押しながらマウスホイールを操作することでも調整できる。

ズームしたデスクトップの表示方法は、以下の3つが用意されている。初期設定は「全画面」になっているようだが、「レンズ」の方が虫眼鏡のような使い勝手でわかりやすいかもしれない。

  • 固定:デスクトップ上辺に拡大されたデスクトップを表示
  • 全画面:拡大されたデスクトップを全画面表示
  • レンズ:マウスカーソル周辺に拡大されたデスクトップを矩形表示

・カラー フィルター
最後に紹介する「カラー フィルター」は、通常の配色では画面が見えにくい場合に、色を変えるフィルターを通すことで画面を見やすくする機能だ。「設定」アプリの[アクセシビリティ]-「カラー フィルター」ページで反転色やグレースケール、多様な色覚に応じたフィルターが利用できる。

「設定」アプリの[アクセシビリティ]-「カラー フィルター」ページ
反転色やグレースケール、色弱向けのフィルターが利用できる

この機能が優れているのは、フィルターが適用されるのは「自分が見ているデバイスだけ」という点だ。オンラインミーティングでデスクトップ画面を共有した場合や、デスクトップのスクリーンショットを撮影した場合、フィルターは適用されない。ミーティングのメンバーには普通の配色に見えるし、スクリーンショットが反転色やグレースケールで保存されることもない。

「カラー フィルター」を適用したPC。色が変わるのが自分が見るときだけなので、オンラインミーティングでデスクトップ画面を共有するときなどには影響がない

そのほかにも、音声を文字起こしして字幕のように表示してくれる「ライブ キャプション」も注目のアクセシビリティ機能といえる。この機能は「Windows 11 2022 Update」で搭載されたもので、現在はまだ英語(米国)でしか利用できないが、将来的には日本語にも対応する予定。正式リリース前のWindowsを試すことができる「Windows Insider Program」で検証してみるとよいだろう。


「Microsoft 365 アプリ」のアクセシビリティ機能

「Microsoft 365 アプリ」にもアクセシビリティに配慮した機能が多数搭載されている。なかでも「アクセシビリティ チェック」と「ディクテーション」は抑えておきたい。

・「アクセシビリティ チェック」で誰でも読みやすいドキュメントに

「アクセシビリティ チェック」機能

ドキュメントをスキャンしてアクセシビリティの観点から問題になりそうなポイント(視覚の特性によって読みにくい部分、誰でも読めるようにするために改善すべき点)を指摘してくれる「アクセシビリティ チェック」機能が用意されている。おすすめの修正方法を指摘してくれるので、ワンクリックで問題を解決できる。

「アクセシビリティ チェック」機能は、リボンの[校閲]タブにある[アクセシビリティのチェック]コマンドから利用可能。右側に専用のパネルが現れ、問題個所とその修正案が提示される。

  • テキストの色がコントラスト不足で読みにくい
  • 画像のような非テキストコンテンツに代替テキストが用意されていない(読み上げ機能がコンテンツを認識できない)
  • タイトルやセクションに適切な名前がついていない(「既定の~」「無題の~」など)
  • 「Excel」ワークシートで負数が赤字のみで表示される(マイナス記号がない。色がわからないユーザーには正数のように見える)
テキストの色がコントラスト不足で読みにくい
非テキストコンテンツに代替テキストが用意されていない

なお、この「アクセシビリティ チェック」は将来的にアップグレードされ、「アクセシビリティ アシスタント」(Accessibility Assistant)になるとのこと。カラーピッカーのアップデートにより、アクセシビリティに配慮した色を選びやすくなるほか、ドキュメントの作成中にスペルチェッカーにように問題点を指摘したり、完成後にまとめてチェックするユーザーインターフェイスが導入される予定で、現在はプレビュー版でテストされている。

・手でキーボードをタイピングしづらいときに頼りになる「ディクテーション」

声だけでテキストをハンズフリー入力できる「ディクテーション」(書き取り、音声入力)

最近はAI技術の発展が著しく、画像や音声、動画などのコンテンツを認識したり、編集したり、生成するといったことがより簡単に、精度高く行えるようになってきた。その一部は「Microsoft 365 アプリ」にも応用されているが、なかでも便利そうなのが音声でテキストを入力する「ディクテーション」(書き取り、音声入力)だ。キーボードからの入力に困難があるような人はもちろん、怪我したり、腱鞘炎になってキーボードを打つのがつらいときに役立つ。マイクとインターネット接続が必要となるが、日本語にも対応する。

「ディクテーション」は、リボンの[ホーム]タブから利用可能。「ディクテーション」というコマンドボタンを押すと小さななツールバーが現れ、マイク入力を待機する。あとは、少しゆっくり目を意識しながら、入力したいテキストをマイクの前で読み上げるだけでよい。多少の変換ミスなどはあるが、なかなかの精度でテキストが入力される。

既定で汚い言葉は自動でマスクされる

この機能にはハンズフリー入力を実現するためのボイスコマンドも用意されており、たとえば「かいぎょう」と言えば、改行記号が挿入される。同様にして句読点や記号、括弧なども入力可能だ。

すでにスマホでは音声入力が当たり前になって久しい。テレワークで周りに人がいないなら、PCでも人目をはばかる必要もない。積極的に活用していきたい機能といえるだろう。

そのほかにも、複数話者を識別しながら文字起こししてくれる「トランスクリプト」機能も便利。会議の議事録を作成したり、講義のノートをとるときに役立つ。

複数話者を識別しながら文字起こししてくれる「トランスクリプト」機能(「OneNote」で利用した様子)

・「Surface Adaptive Kit」でPCを扱いやすく

Surface Adaptive Kit

ちなみに、こんなのまで用意されている……ということで取り上げたいのが「Surface Adaptive Kit」。ノートPCのディスプレイを開けやすくする取っ手やキーボードの場所が識別しやすくなる凹凸のあるシールが用意されている。


アクセシビリティを使った学習、20~30点だった英語のテストが70点に

このように、さまざまなアクセシビリティ機能を提供しているマイクロソフトであるが、同社ではアクセシビリティに取り組むことは社会的責任であるとして、障碍者の就労/雇用支援、学習に困難のある子供へのサポートなどに力を入れている。

なかでも学校現場では、読み・書きに困難を抱えている子供が多く、アクセシビリティ機能が広く使われている。ディスレクシア(弱視)の子供のために、太さの強弱を抑えたフォント「UDデジタル教科書体(Windows 10 Fall Creators Update以降に標準搭載)」を使ってプリントが作成されたり、「イマーシブリーダー」機能を使って音声で読み上げたりと、学習の困りごとを軽減するのに役立っている。

一例として、中学生Aさんの事例を紹介しよう。Aさんはスポーツで全国優勝を成し遂げるほど優れた能力の持ち主であるが、その一方で勉強は苦手。先生が読み書きの速度や正確性を評価するテストを実施したところ、読むスピードが遅く、書くことにも課題があることがわかった。それゆえ、勉強への苦手意識をもっていたと判断した先生は、ノートと鉛筆を使う学習ではなく、OneNoteを使った学習をAさんに提案。勉強への意欲を高めながら、Aさんに合った方法で取り組めるよう学習を進めた。

具体的には、OneNoteで共有ノートを作成し、1日10問の英語の課題を先生とやり取りするというもの。Aさんの書く負担を減らすことで、本来、身に着けたい英語の学習に集中できるようにした。AさんはOneNoteのイマーシブリーダー機能を使って、音声として聞くことで内容を理解しつつ、同時に英語の発音も学習。PCを使う学習なのでわからない英単語もすぐに調べられるうえ、時間や場所にとらわれず学習できるため、スポーツの練習の合間に取り組めるようになったという。

紙と鉛筆の学習では20分も集中力が持たなかったAさんは、この方法であれば1時間以上勉強ができるようになったという。取り組みを進めていくうちに、わからない部分を質問として書くようになり、勉強に対する意欲も向上。結果的に、英語の試験も今までは20~30点しか取れなかったが、この学習を行うようになって70点も取れるようになった。


需要が高まるアクセシビリティの高いテクノロジー

このように、Aさんが抱える困難を周りが理解し、それに合わせた方法でアクセシビリティ機能を活用していくことで、本人の意欲や学習効果を高められる点に注目したい。これはビジネスにおいても同様で、何か困難さを抱えている同僚や相手に対して、適切なアクセシビリティを提供できれば、本人の意欲や活躍の場を増やすことができるだろう。

一方で、そもそも多様な働き方を実現するうえでアクセシビリティは欠かせないものであることを再度、強調しておきたい。マイクロソフトによると、コロナ禍で働き方は大きく変化したが、それを受けてアクセシビリティの高いテクノロジーに対して需要が高まっているようだ。

具体的は、 障害を持つユーザーのために用意されたマイクロソフトのお問い合わせ窓口の利用が200%アップ、イマーシブリーダーの利用は560%アップ、Teamsのキャプション利用は30倍にもなっているという。

アクセシビリティの需要が高いテクノロジー

一口に「働く人・働き方の多様化」といっても、年齢・国籍・人種、身体的制約、さらにはその人の置かれた環境や状況など、配慮すべき点は多く、どのような支援やサポートが必要かを適切に判断するのは簡単なことではない。しかし、超高齢化と人材不足が顕在化しつつある日本において、その人に合った合理的配慮をサポートできれば、確実に活躍できる人を増やせるだろう。

「地球上のすべての個人とすべての組織が、より多くのことを達成できるようにする」というミッションを遂行しているマイクロソフト。同社は長年、ダイバーシティやインクルーシブな環境を重んじており、社会的責任として合理的配慮やアクセシビリティの普及に取り組んできた。こうした努力が今、多くの企業に求められており、すべての人が困難を感じることなく活躍できるよう、皆が配慮し合える世の中になってほしい。