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Androidに限定的な標的型攻撃か、リモートコード実行の「Critical」な脆弱性も

2023年7月のAndroidセキュリティ更新がリリース

Androidにセキュリティアップデート

 米Googleは7月5日(現地時間)、Android OSの月例セキュリティ情報を発表した。今回公表された脆弱性の内容は、少なくとも1カ月前にパートナーへ通知済み。デバイスメーカーからアップデートが提供されたら、できるだけ早めに適用しておきたい。

セキュリティ更新プログラムレベル「2023-07-01」

 Android OSのセキュリティ更新プログラムには「2023-07-01」と「2023-07-05」という2つのセキュリティレベルがあり、「2023-07-01」は対応に時間のかかるカーネルコンポーネントや特定ベンダー向けの一部修正を省いたサブセットとなっている。修正範囲に制限を設けることで、迅速にユーザーへアップデートを提供できるように配慮したものだ。

 「2023-07-01」は以前に修正された問題に加え、新たにFrameworkで12件、Systemで11件の脆弱性が修正された。Systemコンポーネントで修正されたWi-Fi関連の脆弱性(CVE-2023-20910、CVE-2023-21240、CVE-2023-21243)は、「GooglePlay」システムのアップデート(Project Mainline)でも提供されるため、OSのセキュリティアップデートがなくても対処可能となっている。

 以上の脆弱性のうち、Systemコンポーネントの脆弱性 「CVE-2023-21250」 はユーザーの操作不要・実行権限の追加不要でリモートからコードを実行可能となっており、とくに警戒が必要。深刻度も「Critical」と評価されている。

セキュリティ更新プログラムレベル「2023-07-05」

 「2023-07-05」はすべての問題に対処した完全版で、「2023-07-01」での修正に加え、Kernelで2件、Kernel componentsで1件、Arm componentsで4件、Imagination Technologiesのコンポーネントで1件、MediaTek componentsで2件、Qualcomm componentsで7件の脆弱性が解決されている。深刻度の評価は最高で「High」。Qualcommのクローズドソースコンポーネントでも、深刻度「Critical」1件を含む多くの問題が修正されている。

 なお、以下の脆弱性は限定的な標的型攻撃に悪用されているという指摘があり、できるだけ早い対処が必要だ。

  • CVE-2023-26083(Arm componentsの脆弱性、Moderate)
  • CVE-2021-29256(Arm componentsの脆弱性、High)
  • CVE-2023-2136(Systemにおける任意コード実行、High)