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Visual Studio Codeに新しいPython拡張機能が仲間入り、Python 3.7対応の廃止は9月

言語サーバー「Pylance」ではローカライズも

「Mypy Type Checker」拡張機能(プレビュー版)

 米Microsoftは7月7日(現地時間)、「Visual Studio Code」の「Python」言語向けアップデートの内容を公表した。2023年7月リリースでは「Mypy」、「Debugpy」といった新しい拡張機能がプレビュー公開されたほか、「Python 3.7」サポートの廃止予定がアナウンスされている。

「Mypy Type Checker」拡張機能(プレビュー版)

 「mypy」は、「Python 3.5」で追加された型アノテーションをもとに型を静的にチェックできるツール。動的型付け言語である「Python」は型を気にせず書き始めることができるが、プロジェクトの規模が大きくなるにつれ、静的型付けならば事前に排除できる不具合を抱えがちになる。「mypy」は、この動的型付けと静的型付けの長所を両立させるために開発されたツールだ。

 「Mypy Type Checker」拡張機能をインストールすると、「Python」ファイルを開いたときに「mypy」が自動で実行されるようになる。より高速に方チェックを行うため、内部では「mypy」をコマンドラインツールとしてではなくサーバー(デーモン)として利用する「dmypy」が利用されている。

「Debugpy」拡張機能(プレビュー版)

 「Python」拡張機能から「Python 2.7」と「Python 3.6」のサポートが削除された際、コードベースを最新バージョンの「Python」にアップグレードできず、最新版の「Python」拡張機能でアプリケーションをデバッグできなくなったというフィードバックに応え、開発されたのが「Debugpy」と呼ばれるデバッガー拡張機能だ。デバッガーを「Python」拡張機能から分離し、古いデバッガーを利用することが可能で、最新版「Python」拡張機能への移行に猶予がほしい開発者に向いている。

 現行のプレリリース版では最新版の「debugpy」しか利用できないが、近い将来、古いバージョンもサポートされる予定だ。

「Pylance」のローカライズ

 新しい言語サーバー「Pylance」がローカライズされ、お好みの言語で利用できるようになった。

 加えて、今回のアップデートではサードパーティライブラリのインデックスが永続化されている。従来の「Pylance」は自動補完、自動インポート、コードナビゲーションなどの「IntelliSense」機能を有効にするため、「Visual Studio Code」のワークスペースを開くたびにサードパーティライブラリのインデックスを作成していたが、この処理が省かれる。

「Python 3.7」サポートの廃止

 「Python 3.7」は、2023年6月27日にサポート終了(EOL)を迎えた。そのため、「Python」拡張機能でも「Python 3.7」対応が削除される。猶予は3カ月間で、「Visual Studio Code」の2023年9月リリースまでは非公式に動作し続けるが、できるだけ早い後継バージョンへの移行が望ましい。

 なお、今後は「Python」バージョンがEOLに達した次の年の最初のリリースで、当該バージョンの拡張機能のサポートが打ち切られるとのこと。「Python 3.8」の場合、2024年10月にEOLに達するが、拡張機能は2025年の最初のリリースで「Python 3.8」のサポートが打ち切られる。

ソフトウェア情報

「Python」Visual Studio Code拡張機能
【著作権者】
Microsoft
【対応OS】
(編集部にてWindows 10で動作確認)
【ソフト種別】
フリーソフト
【バージョン】
2023.13.11982131(23/07/18)