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ゲーマーの突然死に備えたWebブラウザー「Opera GX」、閲覧履歴を改竄して聖人に
[私の魂を救済する]ボタンから有効化、清々しいスタートで来世を迎えられる
2023年7月28日 17:45
ノルウェーのOpera Softwareは7月27日(現地時間)、「Opera GX」にユーザーの死後の評判を守る「Fake My History」を導入したと発表した。
人間はかならずしも聖人君子ではなく、裏でいかがわしいコンテンツを楽しんだり、後ろめたい趣味にふけったり、突拍子もないデマや陰謀論に踊らされたりすることもしばしばだ。そして、その痕跡はWebブラウザーの閲覧履歴にしっかりと残ってしまう。万が一自分が不慮の死を遂げたとき、それを見た家族や友人はどう思うだろう。幻滅するだろうか、裏切られたと悲しんだり、怒ったりするかもしれない。ゲームならばセーブポイントからやり直せるが、人生にはそんなものはない。常に備えはしておくべきだろう。
「Fake My History」は、そんな問題意識から開発された機能。仕組みは簡単で、2週間以上操作を行わなかったときに閲覧履歴をクリアし、偽の履歴にすり替えてしまうだけだ。この2週間という時間は変更できないが、同社によると「あなたが底なしの穴に落ちたか、亀の甲羅で頭を殴られたか、他のブラウザーに乗り換えて自分を罰することを選んだと合理的に判断」するには十分だという。
この機能は初期状態で無効化されており、利用するには手動で有効にする必要がある。まず画面右端のサイドバーにある[履歴]ボタンをクリックしてサイドパネルを開き、[私の魂を救済する]というボタンを押す。すると、「清々しいスタートで来世を迎える」という画面が現れるので、この下にある[有効にする]ボタンを押せば準備は完了。もしあなたがそのまま死んでも、2週間も経てば、人間味あふれる閲覧履歴は模範的市民のそれに置き換えられる。
試しに死後の閲覧履歴を見てみたい場合は、[有効にする]ボタンを押すときに[すでに死んでいるふりをする]というチェックボックスをONにしておくとよいようだ。編集部にて実際に試してみたところ、閲覧履歴はボランティア活動や慈善事業への興味、いかにも「Instagram」が似合いそうな趣味、地域貢献や自然災害への高い意識を感じさせるものが偽造されていた。
ただし、偽造された閲覧履歴は英語なので、日本人ユーザーの閲覧履歴としては少し違和感があるかもしれない。長時間のゲームプレイは避け、適度な運動と睡眠を摂ることも検討したい。
「Opera GX」は、ゲーマー向けにカスタマイズされた「Opera」。最近のゲーミングPCを意識したデザインになっており、ライティング機能を備えたマウスやキーボードと連動することも可能。デスクトップ(Windows/Mac)、モバイル(iOS/Android)に対応しており、現在「opera.com」から無償でダウンロードできる。
ソフトウェア情報
- 「Opera GX」デスクトップ版
- 【著作権者】
- Opera Software AS
- 【対応OS】
- Windows/Mac(編集部にてWindows 11で動作確認)
- 【ソフト種別】
- フリーソフト
- 【バージョン】
- LVL 5 (core: 100.0.4815.82)