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「Opera」が生成AI「ARIA」を組み込む大規模更新 ~“バージョン 100”に到達

「タブアイランド」(タブ島)を含む新コンセプト「Opera One」も正式提供

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 ノルウェーのOpera Softwareは6月21日(現地時間)、デスクトップ向けWebブラウザー「Opera」の最新安定版「Opera 100」を正式公開した。ネイティブブラウザーAI「ARIA」、「Opera One」でテストされていた新しいユーザーインターフェイスなどが目玉だ。

ネイティブブラウザーAI「ARIA」

 「ARIA」は、OpenAIの「ChatGPT」をベースとした生成AI。「Opera 97」などで初期実装された「AI プロンプト」とは異なり、2021年より後の新しいコンテンツも学習しているため、標準的なGPTベースのソリューションよりも時事性の高い応答が可能だという。

 「ARIA」は180カ国以上で利用可能。「Opera」のアカウントは必要とされるものの、料金はかからない。デスクトップ版「Opera」の場合、「A」をあしらった「Aria」のサイドバーアイコンを押すとパネルが現れ、AIとの会話が行えるようになる。[Ctrl]+[/]キーを押して、プロンプト(命令)の入力バーを表示させることも可能。「Aria」はAndroid向けベータ版でも利用できる。

サイドバーから「ARIA」を利用
[Ctrl]+[/]キーでプロンプトをその場で入力

「Opera One」

 「Opera」にはさまざまな機能が搭載されているが、バージョンを重ねるにつれてユーザーインターフェイスが肥大化し、あまり使わないボタンなどが画面を占有するようになった。そこで「モジュラーインターフェイス」をコンセプトにしてUIを再設計。ダイナミックにスペースをコントロールすることで、UIの簡素化と多機能性を両立させたのが「Opera One」だ。

 新デザインではアドレスバーやサイドバー、ツールバーなどが「モジュール」と見なされている。ツールバーには色のついた帯があり、これをクリックすることで自在に開閉が可能。不要なときはたたんでおくことができる。

モジュラー構造のインターフェイス。邪魔な要素はたたんでおける

 そしてこの仕組みをタブバーにまで拡張したのが「タブアイランド」(タブ島)だ。複数のタブを選択して「島」を作成すれば、用途や目的に応じてタブをひとまとめにすることが可能。帯をクリックするとツールバーと同じく伸縮できるため、タブバーがタブであふれてしまうこともない。

関連のあるタブをまとめて管理、ワンクリックで伸縮できる「タブアイランド」(タブ島)

 「Opera」はWindows/Mac/Linuxなどに対応するフリーソフトで、現在同社のWebサイトからダウンロード可能。Windows版は窓の杜ライブラリからダウンロードすることもできる。すでにインストール済みの場合は、自動更新機能を利用してアップデートすることも可能。また、Windows 10/11環境ならば「ストア」アプリ(Microsoft Store)からインストールすることもできる。