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「EmEditor」v23.0が公開 ~1年ぶりのメジャー更新でマクロ連動のWebブラウザーなどを追加
巨大ファイルの扱いも超高速化、言語サーバープロトコル(LSP)対応も正式機能に
2023年11月16日 15:25
米Emurasoftは11月16日(日本時間)、テキストエディター「EmEditor Professional」の最新版v23.0を正式公開した。64bit版を含むWindows 7/8.1/10/11およびWindows Server 2008 R2以降に対応するシェアウェアで、現在同社のWebサイトや窓の杜ライブラリからダウンロードできる。
本バージョンは、2022年10月以来のメジャーアップデート。変更点が多く、本年最後の比較的大規模な更新になる見込みであることから、今年「2023年」の下2桁に合わせてv23.0にすることにしたという。
主要な変更点は、「WebView2」コントロール(Microsoft Edge)を利用してウィンドウのカスタムバーにWebブラウザーを表示する機能を追加したことと、巨大ファイルを扱う際の高速化だ。
Webブラウザーは既定で非表示になっており、利用するには[表示]-[Webブラウザ]オプションを有効化する必要がある。表示するURLは、[ツール]-[カスタマイズ]ダイアログの[Webブラウザ]ページで変更可能。
このWebブラウザーはマクロと連動できる仕組みになっており、エディターの内容をWebブラウザーへ送ったり、逆にWebブラウザーの内容をエディターへ取り込むことが可能。サンプルマクロとして「Bing.jsee」が「GitHub」で公開されているので、興味のあるユーザーは参照してほしい。
一方、巨大ファイルに関しては多くのコマンドをマルチスレッド化。開発マシンで操作がほぼ1秒以内に収まるよう、さまざまなチューニングが施されているという。とくにCSVファイルの列単位の操作は、行でテキストを管理するエディターが設計上どうしても苦手とするところだが、変更行を一時ファイルではなくメモリに保存することにより、より高速に動作するようになった。CSVの列の削除、列の挿入、列の結合、列の並べ替え、列の貼り付け、その他多くの列操作が、v22.5に比べて約21~34倍にまで高速化しているという。
ただし、この方法はメモリにあまり余裕のないシステムではかえって遅くなったり、メモリ不足でエラーが発生する場合がある。そのため、[カスタマイズ]ダイアログの[高度]ページに以前の動作に戻すオプションが用意されている。
そのほかにも、JIS/EUC日本語ドキュメントを扱う際に、OSのAPIではなく独自処理を用いることで不正文字の検出ロジックなどを改善。ファイルを開いたあとも検索などの多くの動作で大幅な高速化が実現された。ヘルプシステムの改善や「Git」コミットリストプラグインの強化なども行われている。
また、これまで試験的に提供されていた言語サーバープロトコル(LSP)対応が正式な機能となったのも大きなトピックといえる。LSPを介して選択範囲または文書全体をフォーマットする機能も追加されているとのこと。
「EmEditor Professional」は、Windowsプラットフォームで定番のテキストエディター。プラグインで機能を拡張できるのが特徴で、CSVデータを扱うための機能も非常に充実している。有償ソフトだが30日間の試用期間が設けられており、その後は個人利用に限り機能制限のある無償版「EmEditor Free」として使用可能。また、インストーラー版・ポータブル版のほかにも、「Microsoft Store」から入手できるストア版が用意されている。
ソフトウェア情報
- 「EmEditor Professional」
- 【著作権者】
- Emurasoft, Inc.
- 【対応OS】
- 64bit版を含むWindows 7/8.1/10/11およびWindows Server 2008 R2以降
- 【ソフト種別】
- 年額6,160円(2年目以降は半額)など (試用期間後は、個人利用のみで一部機能の制限された「EmEditor Free」として使用可能)
- 【バージョン】
- 23.0(23/11/16)