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「ペイント」に「Photoshop」のような生成塗りつぶし・消去、Canary/Devでテスト開始
被写体を足したり消したりも思いのまま
2024年11月7日 10:45
米Microsoftは11月6日(現地時間)、Windows 11標準のグラフィックスアプリ「ペイント」のアップデートを発表した(v11.2410.28.0)。まずは「Windows Insider Program」のCanary/Devチャネルでテストされる。
今回のアップデートでは、「Windows 11 バージョン 24H2」で後日導入がアナウンスされていた生成塗りつぶし・生成削除が導入されている。
生成塗りつぶし(Generative fill)
「ジェネレーティブ塗りつぶし」は「Photoshop」などで導入され、話題になっていた機能で、言葉で依頼した通りにAIが選択範囲を塗りつぶしてくれる。
たとえば、草原の画像の一部を選択し、生成塗りつぶしダイアログへ「中世の城」と入力すれば、草原に立派な城が追加される。草原が油絵調であれば、描き込まれる城もそれに溶け込むように油絵調になるのがポイントだ。もしAIが提案する結果が気に入らなければ、再生成コマンドで新しい被写体を生成すればよい。
この機能は絵心のない初心者はもちろん、熟練のアーティストにとってもうれしい機能だ。アイデアに困っていたり、複雑なディテールを追加したいといった場合にも役立つ。
ただし、当面はSnapdragon搭載の「Copilot+ PC」でしか利用できない点には注意。また、利用の際は「Microsoft アカウント」へのサインインが必要になるほか、国・地域によっては利用できないこともある。
生成消去(Generative erase)
一方の「ジェネレーティブ消去」は、キャンバスにある不要な被写体を削除し、残された部分を周りと違和感がないようにAIが自動で塗りつぶしてくれる機能だ。単純な消しゴムツールでは削除部分が空白になってしまうが、そこを“いい感じ”に埋めてくれる。
ジェネレーティブ消去を利用するには、[消しゴム]ツールを選択すると画面左側に現れるバーで[生成消去]ブラシを選択する。このブラシで消したい部分をなぞると、AIがそのオブジェクトを認識して削除してくれる。矩形選択ツールなどで消去したい選択したあと、ポップアップ表示される[生成消去]コマンドを選んでもよい。
「生成消去」は「生成塗りつぶし」と異なり、すべてのWindows 11デバイスで利用可能だ。
そのほかにも、本バージョンでは以下の改善が行われている。
- 「Cocreator」のアップデート:拡散ベースモデルを改善し、よりよい結果をより速く提供できるように。ただし、Snapdragon搭載の「Copilot+ PC」のみ
- 「Image Creator」のアップデート:プレビュー提供の市場を拡大(日本未提供)