Windows Insider Preview

右クリックから直接ファイルにAI処理をかけられるWindows 11の新機能「AI アクション」

Devチャネルでテスト開始。「Microsoft 365」向けのアクションも拡充へ

 このコーナーでは、「Windows 11 Insider Preview」ビルドでテストされている最新のOS機能を紹介します。ただし、テストの結果、紹介した機能が製品版OSに搭載されないこともあります。あらかじめご留意ください。

右クリックメニューからファイルを手軽にAI処理にかけられる「AI アクション」(AI actions)

 米国時間5月19日にDevチャネルでリリースされた「Windows 11 Insider Preview」Build 26200.5603(KB5058488)より、「エクスプローラー」に「AI アクション」という新機能が展開されている。

  「AI アクション」(AI actions) は右クリックメニューからファイルを手軽にAI処理にかけられる機能で、デスクトップや「エクスプローラー」で利用できる。

 たとえば画像ファイル(.jpg、.jpeg、.png)を右クリックすると、以下の「AI アクション」へアクセス可能。

  • Bing で画像検索:テキストの代わりに画像を使ってWeb検索。類似画像や商品を探したり、当該画像が用いられたWebサイトを調べたり、ランドマークや植物、有名人の顔を特定するのに役立つ
  • フォトで背景をぼかす:写真の背景を自動的に検出し、ワンクリックでぼかし効果を加える。被写体を強調したいときに便利(参考記事
  • フォトでオブジェクトを消去:不要な被写体を選択してジェネレーティブ消去できる。削除した被写体の穴は、AIが自然な見栄えになるように埋めてくれる(参考記事
  • ペイントで背景を削除:被写体だけを選択し、背景を削除するジェネレーティブ消去を実施

 アプリを起動する一手間を減らせるのはもちろん、目的のAI処理のためにどのアプリを使えばよいのか迷わずに済むのがうれしい。

 この「AI アクション」はこれからも拡充される予定で、たとえば今後数週間以内には以下の「Microsoft 365」ファイル向けのアクションが展開されるとのこと。

  • 要約:「Copilot」で「OneDrive」や「SharePoint」に保存されたファイルの概要を生成(.docx、.doc、.pptx、.ppt、.xlsx、.xls、.pdf、.rtf、.txt、.loop)
  • FAQの作成:ドキュメントをもとに質疑応答を作成。複雑な情報をよくある質問と答えという形式でわかりやすく整理できる(.xlsx、.ppt、.pptx、.doc、.docx、.pdf、.txt、.rtf、.aspx、.htm、.html)

 なお、要約に関しては「Copilot」サブスクリプションを持つ「Microsoft 365」アカウントが必要(個人と職場・学校のアカウント両方に対応)。FAQの作成は「Copilot」サブスクリプションを持つ商用サブスクライバーのみ(Microsoft Entra ID)の対応となる点には注意したい。

 また、不要なアクションは[アプリ]-[操作]設定ページで個別に無効化できる。

[アプリ]-[操作]設定ページ

 同社は、開発者が自分のアプリの特定機能を“アクション”として公開できるようにする 「App Actions」(App Actions API) という仕組みを「Microsoft Build 2025」で発表しており、サードパーティーアプリでも「AI アクション」のような機能を実装できるようになるのかもしれない。