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日本でも『ヘイ Copilot』が実現 ~「Copilot Voice」、「Copilot Vision」が展開
音声でCopilotを起動、デスクトップをCopilotと共有。Windows 11がAI体験の中心に
2025年10月20日 16:09
Microsoftは近年、「Windows 11」デバイスをAI体験の中心へ据えるべく、多くの機能追加を行っている。米国時間10月16日に公式ブログで公開された記事で、その内容がまとめられている。
新しいウェイクワード『Hey Copilot』
まず、AI機能「Copilot」を起動させる方法として、ウェイクワード『Hey Copilot』がサポートされる。これまではタスクバーのアプリボタンや[Copilot]キーなどを押す必要があったが、今後は「Hey Copilot」とPCへ呼びかけるだけで利用できるようになる。そのまま音声会話でAIとやりとりできるため(Copilot Voice)、「Copilot」がより身近な存在となるはずだ。
なお、この機能は既定で無効化されている(オプトイン)。利用するには設定画面で機能をONに切り替え、「Copilot」によるマイクアクセスを有効化する必要がある。
ちなみに、対話の終了は「Copilot」に「Goodbye」と伝えるか、[X]ボタンを押してツールバーを閉じればよい。
「Copilot Vision」
次に、「Copilot Vision」のグローバル展開が開始され、日本でも利用できるようになった。
「Copilot Vision」とは、ユーザーが見ているスクリーンや操作しているアプリをAIと共有して、その内容を分析し、会話への応答に役立てられるようにする機能。これまでのテキストベースのチャットでユーザーインターフェイスやコンテンツに関する質問をするには、ユーザーがAIに文章で状況を説明したり、スクリーンショットやコンテンツを読み込ませて文脈を理解させる必要があったが、「Copilot Vision」ならばその手間を省くことができる。
たとえば「電卓」アプリの使い方がわからない場合は、『Hey Copilot』と呼びかけて「Copilot」を起動し、メガネアイコンをクリックして「電卓」アプリを視覚共有してみよう。すると、『関数電卓に切り替えたい』などと声で伝えるだけで、どの部分をクリックすればよいのかを「Copilot」が教えてくれるようになる(この仕組みを「ハイライト」機能と呼ぶ)。
「Copilot Voice」と「Copilot Vision」の組み合わせで、シームレスなサポートを受けられるというわけだ。
「Copilot」は「Word」、「Excel」、「PowerPoint」のこともよく知っており、これらのアプリであれば一般のAIアプリよりも、より的確なサポートが期待できるだろう。
なお、「Windows Insider Program」では「Copilot Vision」とテキストで会話する機能もテストされるとのこと。これまでは音声(Copilot Voice)での利用が前提だったが、テキストでのやり取りを好む場合は従来のようなチャット体験を選ぶこともできる。
「Copilot Labs」でテストされる新しい「Copilot」統合
そのほかにも、タスクバーのアプリボタンから「Copilot Vision」共有が行えるようにする機能「Ask Copilot」も「Windows Insider Program」と「Copilot Labs」で近日公開されるとのこと。
また、Webブラウザーを操作して気に入りのレストランを予約したり、商品を注文したりといったタスクをユーザーに代わり「Copilot」にやってもらう「Copilot Actions on the web」(2025年5月発表)を、Windowsのローカルファイルに対しても行えるようにする機能も「Windows Insider Program」と「Copilot Labs」で間もなく提供される予定だ。
すでに「Windows Insider Program」でテスト提供されている「Copilot Connectors」はMicrosoftのサービス(OneDrive、Outlookなど)やGoogleのサービス(Google ドライブ、Gmailなど)を「Copilot」と接続できるようにする仕組みで、メールやカレンダーの情報も参照しながら、AIが作業を行ってくれる。
最後に、「Windows Insider Program」では「Copilot」がWindowsの設定と連携する機能もテスト中だ。『画面を読みやすくする』や『気を散らすものを減らして集中できるように』といったプロンプトを送れば、「Copilot」がそれに関連する「設定」アプリのページを案内してくれる。
AIアクションのサードパーティー解放
「AI アクション」(AI actions)は、デスクトップや「エクスプローラー」の右クリックメニューからファイルを手軽にAI処理にかけられる機能。現状では「Bing」で画像を検索したり、「フォト」アプリで背景ぼかし・オブジェクト削除を行ったり、「ペイント」アプリで背景を除去するといった処理が行える。
この「AI アクション」は今後、Microsoft以外のサービスにも拡充されるとのこと。
また、「Copilot+ PC」で利用できる「Click to Do」には「Zoom」の統合が計画されているという。
ゲーム体験と「Copilot」
ASUSと提携して開発された携帯ゲーム機「ROG Xbox Ally」および「ROG Xbox Ally X」では、ボタンを押すだけで「Gaming Copilot」を呼び出せるようになる。
「Gaming Copilot」(「Copilot for Gaming」とも)は、生成AI「Copilot」をゲームの相棒として利用できるようにしたもの。ゲームに関する質問をすると「Bing」の検索結果をもとに答えてくれるほか、プレイ履歴や実績など、「Xbox」のアクティビティを把握したうえでパーソナライズされた回答を生成してくれる。現在、ベータ版としてテスト提供中だ。