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「GNU Emacs 30.1」が公開 ~Android版が追加、高速なネイティブコンパイルが既定有効

脆弱性修正もあり

「GNU Emacs 30.1」が公開

 テキストエディター「GNU Emacs」の最新版「Emacs 30.1」が、2月23日にリリースされた。2023年7以来のメジャーアップデートで、以下の改善が含まれる。

  • ネイティブコンパイルが既定有効に。可搬性を重視してLispコードを中間表現(バイトコード)翻訳・実行するバイトコンパイルよりも高速
  • Androidへの移植
  • 新しいユーザーオプション「trusted-contents」。「Emacs」が信頼するファイルとディレクトリのリストを定義
  • 多数のパフォーマンス改善
  • ネイティブJSONサポートが常に利用可能に
  • Elixir、HEEx、HTML、Lua、PHP用の新しい「Tree-Sitter」メジャーモード
  • 「EditorConfig」標準対応
  • タッチスクリーン対応の改善
  • ツールバーをウィンドウごとに。下部への表示も
  • 新しいパッケージ「which-key」
  • TAGSファイルの自動再生成
  • 新しいマイナーモード「visual-wrap-prefix-mode」
  • TTYフレームでの下線色のサポート

 「GNU Emacs」は現在、「gnu.org」から無償でダウンロード可能。Windows版も「ftp.gnu.org」などから入手できる。

 Androidへ移植した「Emacs」は、GUIアプリとして「Android 2.2」から「Android 15.0」に対応しており、ソースファイルに含まれる「java/INSTALL」の指示に従えばコンパイルできる。最新リリースは、まもなくGNUプロジェクトのFTPサーバーやAndroid向けのFree and Open Source Software(FOSS)リポジトリ「F-Droid」で配布されるとのこと。

 なお、本バージョンでは「man.el」のシェルインジェクション(CVE-2025-1244)と「Flymake」の任意コード実行(CVE-2024-53920)も修正されている。セキュリティ維持のためにもアップデートは怠らないようにしたい。