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「Surface」最新型の展示も ~マイクロソフトがCopilot+ PCの最新情報を紹介
「Surface Pro」が149,380円~、「Surface Laptop」が164,780円~
2025年6月4日 14:32
マイクロソフトによるCopilot+ PCの紹介イベント
日本マイクロソフト株式会社は6月3日、Copilot+ PCを集めたメディア向けの体験会を品川本社ビルにて開催した。
この体験会では、マイクロソフトを始めとした各社のCopilot+ PCが展示されるとともに、Copilot+ PCの最新情報や活用法を解説。また6月10日発売予定のSurfaceの最新モデルの展示も行われた。
6月10日発売の「Surface」シリーズを展示。他社製品も並ぶ
新機種として展示されたのは、「Surface Laptop 13インチ」と「Surface Pro 12インチ」。どちらもArmアーキテクチャのSnapdragon Xを搭載したモデルで、既存の「Surface Laptop 13.8/15インチ」および「Surface Pro 13インチ」よりも小型になっているのが特徴。
タブレットスタイルの「Surface Pro 12インチ」
「Surface Pro 12インチ」は、タブレットスタイルのモバイルPC。同「13インチ」ではキーボード(カバー)にペンを収めるスペースがあったが、本製品は本体背面に窪みがあり、ペンをマグネットで固定する形になる。ペン自体は従来製品と共通。
マグネットによる固定はかなり強力で、そのままバッグなどに収納しておいても、何かの拍子に外れるということはなさそう。それでいて取り外しが固くて困るということもなく、上手いバランスになっている。
筐体としては従来から一回りコンパクトになったというそのままの印象だが、タブレットスタイルということもあり、小型化の恩恵は大きい。カバーを裏返すとタブレットスタイルとして使用できるが、その際は背面のペンを装着していてもマグネットで吸着する。その際にはキーボードの入力は無効化される。
ただし従来あった充電用のSurface Connectポートは今回から省かれており、USB Type-Cポートからの充電のみとなる(従来機種ではSurface ConnectとUSB Type-Cの両方で充電が可能)。欧州で充電端子をUSB Type-Cに統一する法律が発効した影響だろう。
クラムシェル型の「Surface Laptop 13インチ」
「Surface Laptop 13インチ」は、クラムシェル型のノートPC。こちらは同「13.8インチ」と見た目の印象がかなり近く、会場ではマイクロソフトのスタッフも並べられた機種がどちらなのか一瞬戸惑うことがあった。ちなみに一番簡単な見分け方は、Surface Connectポートの有無。こちらもUSB Type-Cでの充電のみとなる。
持った感触はやはり以前より少し軽い。実際の重量は本機が1.22kg、同「13.8インチ」が1.34kgと、100g以上の軽量化がなされている。また筐体の角はより丸みがつけられており、持った時の感触が優しくなっている。
会場には1kgを切る他社の製品も置かれており、それらに比べると重めではある。本機は伝統となっているアルミ合金削り出しのボディを採用しており、堅牢さは随一。洗練された印象を与えるデザインも、他社との差別化が図られているポイントだ。
デザインと言えば、両機種通じてユニークなのがカラーバリエーション。シルバー系の「プラチナ」、やや紫がかった「バイオレット」、明るめのグレーとグリーンが混ざったような「オーシャン グリーン」の3色展開となっている。PCではブラックが定番で、従来機種にはあったのだが、この2製品では採用されていない。もちろんこれは狙ってのことだ。
会場で「オーシャン グリーン」を見てみると、光の当たり方によってグレーにもブルーにも見えるという不思議な塗装だった。ただ全体としては派手過ぎず落ち着いた色味で、明るい「プラチナ」とは上手く印象を分けている。ちなみに海外では「オーシャン」の名前で展開しているが、日本では海で緑という印象が薄いことから、この名前に変更したのだそうだ。
また今回から、搭載されるOfficeが買い切り型の「Home & Business 2024」から、24カ月分の「Microsoft 365 Personal」に変更される。これによりサブスクリプションが有効状態になり、OfficeとCopilotが連携するAI機能も使用できるようになる。
価格は「Surface Pro 12インチ」が149,380円から、「Surface Laptop 13インチ」が164,780円からと、価格が抑えられているのも特徴。CPUなどのスペックは従来機種に劣るものの、バッテリ持ちはさらに良くなるなど、モバイル用途をより重視した形になっている。
サードパーティ製の最新Copilot+ PCも展示
会場では他のメーカーの製品も展示され、中には発売前の製品も展示されていた。Acer製「Swift Go 14 AI(SFG14-64)」は、開発コードネーム「Kraken Point」と呼ばれるRyzen AI 5 340またはRyzen AI 7 350を搭載するノートPC。2,880×1,800ドットの有機ELディスプレイを搭載しながらも比較的低価格で提供していくという。発売は6月6日からの予定。
Copilot+ PCの最新機能を紹介
Copilot+ PCのデモでは、デバイスパートナーセールス事業本部でシニアパートナーテクノロジーストラテジストを務める平井健裕氏が、Windows Insider Programで提供が始まった最新機能を紹介した。
まずCopilot+ PCの現状について、当初はQualcomm製CPUであるSnapdragon Xシリーズを搭載した製品で機能実装が先行していたが、現在はIntel製のCore Ultra 200Vシリーズや、AMD製のRyzen AI 300シリーズでも実装が進み、「リコール」や「クリックして実行(Click to Do)」といった機能が提供済みであることが明かされた。
新機能の紹介では、エクスプローラー上の画像ファイルから直接ペイントの背景削除を呼び出す操作が行われた。画像ファイルを右クリックすると、メニューの中に「AI actions(AIアクション)」という項目が追加されており、ここから「Remove background with Paint(ペイントで背景削除)」を選択すると、すぐさま「ペイント」が起動し、背景が切り抜かれた画像が表示された。
同様に、「Word」ファイルを右クリックし、Copilotにサマリー(要約)を書かせることもできる。これらはあくまで一例であり、他のファイルではまた別のAIアクションが利用できるようになっていく。Copilot+ PCのAI処理を含め、AI機能は右クリックのメニューから呼び出して使えるようになる、と覚えておくとよさそうだ。
次は「Setting Agent」。「設定」画面の上部にあるテキストボックスに、設定変更したい内容を文章で入力する。例えば「マウスの」と入力すれば、それに合った設定変更が提案され、変更を許可するだけで設定が終わるという仕組み。しかも入力するテキストは「マウスのスピード」と書いた時点で、その後を想定した提案が表示される。
最後は「Snipping Tool」の「Perfect screenshot」。画面の一部を切り取って保存する機能は「Snipping Tool」に搭載されているが、「Perfect screenshot」では、切り取りたい画像などをおおまかに選択するだけで、画像サイズぴったりのサイズに切り取り枠を調整してくれる。後から加工する手間が減らせるわけだ。
これからはAIの時代だ、Copilot+ PCだと言われても、何ができるのかピンと来ないという方は多いはず。ハードウェアの展示に加え、こういったデモを通じてCopilot+ PCとしての価値を正しく伝えていこうというのが今回の意図であろう。