使ってわかるCopilot+ PC

第43回

最安&最軽量の「Surface Pro」12インチが6月10日発売

キーボード込みでも約1kg。AIだけでなくモバイル用途にも最適

「Surface Pro」12インチモデル(キーボードは別売)

軽量小型の「Surface」が発表

 マイクロソフト製PC「Surface」シリーズに、小型軽量モデルが2機種追加された。ラップトップ型の「Surface Laptop」には、従来からある15インチと13.8インチに加え、さらに小さな13インチが追加。またタブレット型の「Surface Pro」には、既存の13インチに加え、新たに12インチが投入される。

 このうち、12インチの「Surface Pro」はかなり注目度が高いと感じている。今回はこちらの情報を堀り下げてみよう。

6月10日発売。価格は?

 まず日本での発売日は、「Windows Blogs」によると6月10日とされている。価格は発表されておらず、5月15日時点では予約受付も始まっていない。

 米国での価格は799米ドルとされている。「Copilot+ PC」に対応する「Surface」シリーズの中で最も安価な設定で、一緒に発表された「Surface Laptop」の13インチ型の899米ドルより安い。言わば純正の「Copilot+ PC」を最も安く手に入れる手段となるはずだ。

 先行する製品の価格から想定すると、13インチの「Surface Pro」の場合、16GBのメインメモリ、512GBのSSDという組み合わせで、日本では210,980円、米国では1,199米ドル(なお執筆時点では200米ドル引きのセール中)。計算すると1米ドル約176円換算になり、日本ではやや割高だ。

 これにそのまま当てはめてみると、799米ドルは140,595円。やはりコストパフォーマンスは良さそうだ。

小型でも高いスペックを維持

 次にスペックを見ていこう。CPUは下位モデルとなる「Snapdragon X Plus(8コア)」で、上位モデルの10~12コアに比べれば性能が落ちるものの、ノートPCで8コアは決して少なくない。また同シリーズのNPU性能は共通で45TOPSあるので、AI目的であれば上位モデルと同等だ。

 ディスプレイは12インチながら、解像度は縦横比3:2の2,196×1,464ドットで、フルHDを上回る。もちろんタッチ操作も可能。ただしパネルは液晶になる。13インチでは有機ELだったので、ここはコストの差が出るポイントだ。

 重量は本体のみで686gで、現行の「Surface」シリーズで最軽量。別売の専用キーボードは340gとなっており、合わせて1,026g。1kgを超えるのは惜しいが、ノートPCとしては軽量な部類だ。

 13インチではキーボード側にペンを収納したが、12インチにはないようだ。ではペンはどこに収納するのかと思ったら、本体背面にマグネットでペンを取り付けるスペースが用意されており、そのまま充電も可能だという。ペンを貼り付けた際に本体から若干飛び出す形になるのは好みが分かれそうだが、別途充電器が必要になったりはしない。



 なおキーボードは27,280円、スリムペンとのセットは44,880円と価格が発表済みで、予約受付も始まっている。

価格とサイズの両面で競争力のある製品

 「Surface」シリーズで最も安く、「Copilot+ PC」としてのAI性能も申し分なく、それでいて12インチと軽量コンパクト。さらにバッテリ持続時間でも13インチを上回るという。モバイルを意識した使い方をしたいなら、12インチの方にかなりメリットがある。タブレットとしての取り回しも良くなる。

 低価格モデルだからか、あまり大々的に発表された印象がないのだが、「Copilot+ PC」としてはとても注目度の高い製品だと思う。価格の発表を含め、注目していただきたい。

本体色はバイオレット、オーシャングリーン、プラチナの3色展開。ブラックがないのが意外ではある
著者プロフィール:石田賀津男(いしだ かつお)

1977年生まれ、滋賀県出身

ゲーム専門誌『GAME Watch』(インプレス)の記者を経てフリージャーナリスト。ゲーム等のエンターテイメントと、PC・スマホ・ネットワーク等のIT系にまたがる分野を中心に幅広く執筆中。1990年代からのオンラインゲーマー。窓の杜では連載『初月100円! オススメGame Pass作品』、『週末ゲーム』などを執筆。

・著者Webサイト:https://ougi.net/