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「黒い」ブルースクリーンと「クイック マシン リカバリー」が一般提供開始

「Windows 11 24H2」の2025年7月プレビューパッチ「KB5062660」で

公式ブログ「Windows IT Pro Blog」におけるアナウンス

 米Microsoftは7月22日(現地時間)、「Windows 11 バージョン 24H2」の2025年7月非セキュリティプレビュー更新プログラム「KB5062660」で、新しいブルースクリーンエラー(BSOD)画面と「クイック マシン リカバリー」(Quick machine recovery:QMR)の展開を開始したと発表した。昨年開催の「Ignite 2024」で発表された「Windows Resiliency Initiative」(WRI)という取り組みの一環だ。

「黒い」ブルースクリーンエラー(BSOD)画面

 「BSOD」(Blue Screen of Death)は、深刻なシステムエラーでOSに予期せぬ再起動が発生した場合に表示される画面。従来は青背景(プレビュービルドでは緑色)にしかめっ面の顔文字とエラーメッセージ、エラーの内容を調べるためのQRコードなどが表示されていたが、このデザインが刷新される。

 新しい「BSOD」画面は黒背景(Black Screen of Death?)に停止コード、故障したドライバーに関する情報など、短いメッセージを表示するだけのシンプルなデザインとなる。これはWindows 11のデザインに準拠したものだ。加えて、ヘルプを検索するために16進数で表記したストップコードも併記される。このユーザーインターフェイスは今後も改良が続けられるという。

新たに導入される「黒い」ブルースクリーンエラー(BSOD)画面

 また、「Windows 11 バージョン 24H2」ではクラッシュダンプの収集処理にも大幅な改良が加えられており、コンシューマー向けデバイスのほとんどでユーザーが画面に費やす時間が40秒からわずか2秒に短縮されているとのこと。これで迅速に作業へ戻ることができる。

クイック マシン リカバリー

 一方の「クイック マシン リカバリー」(Quick machine recovery:QMR、迅速なマシンの回復)は、OSが再起動を繰り返して正常に起動できなくなった場合に、自動で解決策を探して修復する仕組み。これも「KB5062660」から一般提供が開始される。

 「Windows 11 バージョン 24H2」の場合、「QMR」はHomeエディションで既定有効となる。Pro/Enterpriseエディションでは既定無効で、必要に応じて有効化することになる。ポリシーを適用することで、IT管理者側で有効化することも可能。テストモードを利用して、回復プロセスをシミュレートすることもできる。

「WinRE」環境の「クイック マシン リカバリー」オプション

 なお、利用の際はイーサネットまたはWi-Fi(WPA/WPA2)が必要。今後は「Windows Server」への対応やエンタープライズ環境向けの接続オプションの拡充が予定されているとのこと。修復管理、監視、追加ポリシー、ロールアウト制御のための高度なIT管理ツールも提供される。