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プロ翻訳家×AIのハイブリッド方式で“1文字あたり7円から”の低価格を実現した「AlgoGames 翻訳」【TGS2025】

Algomaticが「東京ゲームショウ2025」にブース出展

「東京ゲームショウ2025」に出展するAlgomaticブース

 (株)Algomaticは、9月25日より開幕したゲーム展示会「東京ゲームショウ2025(TGS2025)」にブースを出展。ビジネスソリューションコーナーの来場者に向けて、AIとプロ翻訳家が協働する翻訳サービス「AlgoGames 翻訳」の展示を行なっている。

 「AlgoGames 翻訳」(旧サービス名:DMM GAME翻訳)は、DMMグループのAIスタートアップであるAlgomaticが、2024年8月にリリースしたゲーム特化多言語翻訳サービス。独自の翻訳方式とAI技術により、ハイクオリティな翻訳を低価格・ハイスピードで提供する。サービス提供開始からわずか1年で翻訳作品数は100タイトルを突破するなど、急速に利用者数を伸ばしている。

「AlgoGames 翻訳」
デモ映像

 従来のゲームローカライズは「すべてを人力で翻訳する」のが主流で、当然ながら時間もコストもかかる。また、AIを活用した翻訳サービスでも「AIが一次翻訳して人間が修正する」という分業方式では、AIが出力した品質の低い翻訳を人間が一文ずつチェック・修正するため、AIによる恩恵は限定的だったという。

 そこで「AlgoGames 翻訳」では、プロ翻訳家とAIが協働するハイブリッド方式を採用。翻訳家がAIの評価とチューニングを繰り返すことでゲームの世界観を守りながら一次翻訳の質を向上させ、翻案・編集・校正する際には独自技術を用いたAIシステムが補助することで工数を大きく削減する。この方式により“1文字あたり7円から”(スタンダードプランの場合)という低価格化を実現。それが本サービスの強みになっているとのこと。

 一方で、「すべてをAIで翻訳する」のはどうかについては、フルAIの場合、ことわざや親父ギャグといった日本語ならではの言い回しを翻訳する際に直訳になってしまうリスクがあるとし、プロ翻訳家による監修を経ることのメリットを説く。また、OpenAIやAnthropicなどのAIモデルをベースに、ゲームタイトル専用のAIエージェントを構築することで、世界観や登場人物の口調といった作品固有の設定やニュアンス、前後関係をうまく翻訳に反映できない(あるいは他の作品の世界観で補ってしまう)LLMの弱点をカバーしている。

人力の編集・校正を行っていない、ライトプランに相当するサンプル

 なお、「AlgoGames 翻訳」では「スタンダードプラン」および「ライトプラン」の2種類を提供している。

選べる2つの料金プラン

 基本となる「スタンダードプラン」は、プロ翻訳家が「AI翻訳→評価→AIチューニング→再翻訳」を繰り返して翻訳の品質を高めた後、翻訳家自身の手で翻案・編集・校正を行なうプランとなる。ある程度のローカライズチームなどを有していて自社チェックが可能な組織なら、翻訳のみで価格を抑えられる「ライトプラン」を利用するケースが多いとのこと。

ブース内では開発・運営支援プラットフォーム「AlgoGames」シリーズをアピール