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Microsoft、歴代でもっとも高速な「.NET 10」を公開 ~3年間の長期サポート(LTS)リリース
「C# 14」「F# 10」、ポスト量子暗号(PQC)対応、AI開発の拡充なども
2025年11月12日 10:08
米Microsoftは11月11日(現地時間)、「.NET 10」をリリースした。クロスプラットフォーム(Windows、Mac、Linuxなど)対応のアプリ開発フレームワーク「.NET」の新しい年次リリースで、「.NET 8」に続く長期サポート(LTS)リリースとして3年間、2028年11月までのサポートが保証される。
「.NET 10」ではランタイム、ワークロード、言語機能の各方面で改善を実施。これまでで最も高速な「.NET」となっているという。おもな改善点は以下の通り。
- JITコンパイラーの強化:インライン化、メソッドの仮想化解除、構造体引数のコード生成の改善など
- ハードウェアアクセラレーション:Intel CPUの新しい命令セット「AVX10.2」(Advanced Vector Extensions 10.2)をサポートし、実行速度を改善。ARM64のSVE(Scalable Vector Extension)によりガベージコレクションの一時停止時間が8~20%短縮された
- Native AOTの機能強化:インタープリターで実行される中間言語(IL)コードではなく、ネイティブコードへコンパイルする手法「Native AOT」(Ahead-Of-Time)は、よりコンパクトかつ高速にコンパイルできるように
- ランタイムの最適化:whileループをdo-whileループに変換するループ反転、スタック割り当て戦略の強化により、目に見えるパフォーマンス向上を実現
また、「C# 14」ではプロパティ宣言を簡略化するフィールドバッキングプロパティ、既存のクラスにプロパティを後付けできる拡張プロパティといった新しい言語機能が追加される。「F# 10」でも明確さ、一貫性、パフォーマンスに重点を置いた改良が行われた。
セキュリティ面では、ポスト量子暗号(PQC)のサポートが目玉。macOSで「TLS 1.3」をサポートするなど、ネットワーク機能の改善も実施された。「Microsoft Agent Framework」によるマルチエージェントAIシステムの構築や、AIエージェントを連携させる「MCP」(Model Context Protocol)、「Microsoft.Extensions.AI」を用いたAI機能のアプリ統合などもサポートされている。
開発ツールは、同日リリースされた「Visual Studio 2026」が利用可能。「Visual Studio Code」向けの拡張機能「C# Dev Kit」も「.NET 10」に対応済みだ。

















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