レビュー
PCを将棋などの対局時計に変える「しゃべる将棋時計」 ~残り時間の読み上げも可能
公平な持ち時間を設定した真剣勝負に使うもよし、プロの対局気分を味わうもよし
2017年11月17日 06:00
「しゃべる将棋時計」は、持ち時間のある将棋・囲碁・チェスなどの対局で利用される“対局時計”をPCで再現したアプリ。Windows XP/Vista/7/8.1/10に対応するフリーソフトで、ベクターのライブラリページからダウンロードできる。
将棋を指しているときに、片方だけが長考を繰り返して揉めたことはないだろうか。そういうときは公平な考慮時間を設定し、ストップウォッチや専用の“チェスクロック”を導入するのが簡単な解決だ。しかし、ストップウォッチを対局者が管理するのは大変だし、たまにしか利用しないチェスクロックをわざわざ購入するのも負担となるのではないだろうか。
そんな場合に便利なのが、今回紹介する「しゃべる将棋時計」だ。本ソフトを利用すれば、手持ちのノートPCやタブレットPCを対局時計として使うことが可能。合成音声ながら残り時間の読み上げや秒読みにも対応しているので、TVやインターネットで中継されているプロの対局気分を味わうこともできる。
本ソフトでは、持ち時間(考慮時間)を“なし”から“10時間”までを計16段階で設定可能。ラジオボタンで選択する仕組みになっており、きめ細かい持ち時間の設定は行えないが、棋戦でよく使われるキリのよい持ち時間がリストアップされているので、それほど困ることはない。
持ち時間のカウントダウンは秒単位で行われる“チェスクロック方式”が基本だが、設定画面から、1分未満の時間消費を切り捨てる“ストップウォッチ方式”も利用可能。また、持ち時間をすべて消費したあとに行われるカウントダウン“秒読み”の設定も、30秒から60秒の間から選べる。ちなみに、持ち時間を使い切ったら負けとなる“切れ負け”には今のところ対応していないようだ。
利用するにはまず、設定画面で対局者・持ち時間・秒読み・音声の種類などを指定する。読み上げ音声は女性の声や男性の声、ロボットの声など計5種類が選択可能。また、指定時刻に対局を開始・中断・再開する機能も備える。昼食休憩や夕食休憩を挟んだ持ち時間の長い対局への対応も万全だ。
設定が済んだらメイン画面に戻り、中央の青いボタンを押そう。すると先手のカウントダウンが始まる。先手が指したらまた青いボタンを押してカウントダウンを止め、手番を後手に渡す。すると後手のカウントダウンが始まる。あとは手番となっている側が一手指すたび互いに中央の青いボタンを押していけばよい。
一般のチェスクロックは先手・後手それぞれに独立したボタンが設けられているが、本ソフトは先手も後手も真ん中の青いボタンを共有する仕組み。[Enter]キーを使った手番の切り替えも可能なので、ボタンに手が届きにくい場合は余ったキーボード接続をして手元で切り替えられるようにするなどの解決が必要となるかもしれない。
メイン画面には先手・後手それぞれの残り持ち時間に加え、現在の時刻や手数、どちらに手番があるかが表示される。持ち時間をすべて消費するとカウントダウン画面の背景色が赤くなり、秒読みに入ったことを知らせてくれる。時計を一時的に止める機能も備えているので、来客などで対局を一時中断したい場合も安心。時計の状態を保存・読み込む機能も備わっているので、対局を後日に持ち越して続きを“指し継ぐ”こともできる。
ソフトウェア情報
- 「しゃべる将棋時計」
- 【著作権者】
- M.Hayashi 氏
- 【対応OS】
- Windows XP/Vista/7/8.1/10
- 【ソフト種別】
- フリーソフト
- 【バージョン】
- 1.10(17/11/11)