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「Chrome」からWindows/Mac/Linuxへリモート接続! Googleが公式提供する無償ツール
Web標準技術がベースのポータル。リモートアクセスとリモートサポートの2つが可能
2018年10月22日 06:00
「Google Chrome」や「Chrome OS」で利用できるリモートデスクトップ接続アプリとしては「Chrome リモート デスクトップ」が有名だが、米GoogleはChrome アプリのサポート縮小を進めており、いつまで利用できるか予断を許さない状況だ。その代わりとして、同社はリモートデスクトップポータル“remotedesktop.google.com”をベータ版として提供している。今後はこのポータルを利用する方が好ましいだろう。
0. 新しい「Chrome リモート デスクトップ」ポータル
新しい「Chrome リモート デスクトップ」ポータル“remotedesktop.google.com”は、“WebRTC”を含む最新のWeb標準技術を用いて構築されたリモートデスクトップ接続サービスだ。「Google Chrome」をはじめとするモダンブラウザーがあれば、どの端末からでも遠隔PC(Windows/Mac/Linux)を操作できる。iOS/Androidに対応するモバイルアプリも用意されているので、スマートフォンやタブレットからもアクセスできる。もちろん、利用は無料だ。
“remotedesktop.google.com”では“リモート アクセス”と“リモート サポート”という2つの機能を提供しているが、接続先のPCはリモート接続を受け入れるための準備をあらかじめしておかなければならない。この準備作業には「Google Chrome」と“Google アカウント”が必要となるので、あらかじめ準備をしておこう。
1. リモート接続を受け入れるための準備
それでは、リモート接続を受け入れるための準備から始めよう。対応環境はWindows 7以降、Mac OS 10.9以降およびLinuxだ。簡便のため、説明に用いる環境はWindows 10とする。
まず、「Google Chrome」で“remotedesktop.google.com”へアクセスし、[使ってみる]ボタンをクリックする。すると認証画面が現れるので、“Google アカウント”でログインする。
認証が完了すると“https://remotedesktop.google.com/access”へリダイレクトされる。このページは接続先の端末を選択する“リモートの端末”セクション(初めて利用する際はない)とリモート接続を受け入れる準備を行うための“この端末”セクションから成る。初めて利用する場合は“この端末”セクションのダウンロードボタンを押し、拡張機能とコンパニオンアプリの導入を行う必要がある。
拡張機能「Chrome Remote Desktop」のインストールは、一般の拡張機能と同じ手順で行える。別ウィンドウで“Chrome ウェブストア”が開くので、[Chrome に追加]ボタンからインストールを行おう。この拡張機能のボタンを押すと、“https://remotedesktop.google.com/access”へ簡単にアクセスすることができる。
拡張機能の導入が完了したら、今度はコンパニオンアプリのインストールを行う。このコンパニオンアプリは言わば、PCのネットワークに穴をあけてリモートアクセスできるようにするものだ。Webページの[同意してインストール]ボタンを押して警告ダイアログの[はい]ボタンを押すと、ダウンロードされたコンパニオンアプリのインストールが開始される。
最後に、このPCの名前を付け、PINを設定したら準備は完了だ。PCの名前は、他の端末からアクセスする際に迷わないよう、わかりやすいものにしておこう。PINは接続の際に必要となるパスワードで、6桁以上の数字を登録する必要がある。
設定が正常に完了すると、“この端末”が“オンライン”になるはずだ。
2. リモート アクセス
それでは、他のPCからセットアップの済んだPCへリモート接続してみよう。リモート接続に用いるWebブラウザーは、「Google Chrome」でなくともよい。同じ“Google アカウント”でログインして“https://remotedesktop.google.com/access”へアクセスすると、先ほどセットアップを行ったPCが“リモートの端末”セクションに“オンライン”として掲載されているはずなので、クリックして接続を開始する。PINを入力すれば、リモートPCのデスクトップが表示されるはずだ。
なお、モバイルから接続する際は“https://remotedesktop.google.com/”に掲載されているストアへのリンクからアプリをインストールする。同じ“Google アカウント”でログインすれば、先ほどセットアップを済ませた端末へ接続できるようになっているはずだ。
3. リモート サポート
“リモート アクセス”は自分が所有する他の端末へリモートアクセスする機能だが、“リモート サポート”は他のユーザーを自分の端末へ接続できるよう、招待する機能だ。URLは“https://remotedesktop.google.com/support/”で、“リモート アクセス”と同じく“この端末”と“リモートの端末”の2セクションから成っている。“1. リモート接続を受け入れるための準備”は済んでない場合は、先に“この端末”セクションの案内に従って準備を済ませる必要がある。
“リモート サポート”の招待を行うには、“この端末”セクションで“ワンタイム アクセスコード”を生成し、それを相手に伝える。
アクセスコードを受け取ったユーザーは、“https://remotedesktop.google.com/support/”の“リモートの端末”セクションへ入力し、[接続]ボタンを押す。すると先方に“閲覧と制御を許可しますか?”というダイアログが現れるので、そこで[共有]ボタンを押すとリモート接続が確立される。