レビュー
OS標準の強力ファイル複製コマンド「robocopy」を活用したGUI定期バックアップソフト
指定した日・曜日・時刻に自動実行、メール通知にも対応
2024年3月19日 16:50
「RoboCopy Scheduler」は、Windows標準の高機能ファイルコピーコマンド「robocopy」を用いたGUIのバックアップソフト。Windows 7/8.1/10/11およびWindows Server 2012以降に対応するフリーソフトで、「TABASCO soft」のWebサイトからダウンロードできる。
「robocopy」は、コマンドラインのファイル複製コマンド「copy」よりも高度なコピーコマンド。もともと「Windows Server 2003」のリソースキットツールに付属していたユーティリティで、Windows Vistaから標準搭載されているようだ。
「robocopy」コマンドの特徴は、2つのフォルダーの内容を同期させるミラーリング機能(/MIR)を備えること。ミラーリングの際は変更のあったファイルだけをコピーするため、単純な上書きコピー(/E)よりも処理が短時間で済む。そのため、バックアップにも最適なコマンドといえる。
しかし、定期的なバックアップに「robocopy」コマンドを用いるのは、「タスク スケジューラー」などの使い方に習熟していなければならず、入門者には少々ハードルが高いだろう。「robocopy」コマンドの豊富なオプションを把握するのも大変だ。
そこでお勧めしたいのが、これらをGUIで設定できる「RoboCopy Scheduler」だ。タスクトレイに常駐するタイプのアプリで、これが起動している間ならば、あらかじめ指定したスケジュール通りに「robocopy」によるバックアップ処理(ジョブ)を実行できる。
利用するにはまず、メイン画面右上の方にある[ジョブ追加]ボタンを押す。すると、新規ジョブを作成するダイアログが現れる。多くの項目があるが、かならず指定しなければならない項目はそれほど多くはない。
- コピー元
- コピー先
- コピーモード(上書きとミラーリングを選択可能)
- スケジュール
スケジュールは手動、毎日、週ごと、月ごと、起動時の5つが選択可能。たとえば「週ごと」を選ぶと、ジョブを実行する曜日と時刻が選べる。これらをうまく活用すれば、
- 通常はミラーリングで済ますが、月に1回だけ完全な上書きコピーを行う
- 曜日によって異なる場所へバックアップする(1週間分のスナップショットを保存する)
といったスケジュールを作成できる。もちろん、本ソフトを単純に「robocopy」のGUIツールをみなし、[手動]ジョブを作成して、一度きりのデータ移行(コピー)に活用してもよいだろう。
そのほかにも、本ソフトには起動中にモニターの電源がOFFになるのを抑止するオプションや、ジョブの結果をメールで通知する機能が備わっている。
たとえば「Gmail」でジョブの結果をメール通知したい場合は、以下のように設定する。
- SMTPサーバー:smtp.gmail.com
- ポート番号:587
- ユーザー名:「Gmail」のアドレス
- パスワード:本ソフト用の「アプリ パスワード」を作成して入力
- 暗号化方式:STARTTLS
- 差出人:通常は「Gmail」のアドレスでよい
- 宛先:送り先のメールアドレス
ソフトウェア情報
- 「RoboCopy Scheduler」
- 【著作権者】
- TABASCO soft
- 【対応OS】
- Windows 7/8.1/10/11およびWindows Server 2012以降
- 【ソフト種別】
- フリーソフト(寄付歓迎)
- 【バージョン】
- 24.2.27.1(24/02/28)