Blender ウォッチング
「Blender」のジオメトリノードはこんなことまでできる! 凄い作品たち
雪山のジオラマや異世界の樹木を生成し、レーザーでオブジェクトが溶解
2023年1月13日 15:47
本連載では、無料の高機能3Dモデリングツール「Blender」の使い方や関連情報を幅広くお伝えします。
今回は趣向を変えてジオメトリノードを使用した、面白い作品をいくつかご紹介してみたいと思います。アドオンとして完成しているわけではありませんが、様々な可能性を見せてくれる物ばかりです。
本記事では「Blender 3.4.1」を使用しています。
入手方法について
今回ご紹介する作品の入手先はすべて「Gumroad」からになります。
Gumroad – Sell what you know and see what sticks
入手方法は、まず[公正な価格を設定して下さい]と書かれた部分のフィールドに適していると思われる値段を入れます。作者名の左にあるバナーに「0+」とあれば、無償で入手でき、そうでなければ有償となります。
そして[これが欲しいです!](一度支払いもしくはメールアドレスを入力すると、[カートに入れる]に変化)をクリックすると、カートページに移行し、無償の場合はメールアドレスの入力が求められ、有償の場合は支払い方法を選択します。
個人的には支払い方法には安全性のため、PayPal(PayPayではない)の利用をお勧めします。
なお、何かトラブルが発生しても当方は一切関与しませんので、入手と使用は自己責任でお願いします。
- 「Blenderpilot」
雪山のジオラマを車が走る - 「Stylized Fantasy Tree Generator」
異世界の樹木を生成 - 「Geometry Nodes Laser Melter」
レーザーが当たった形状が溶ける
「Blenderpilot」
David Cescatti氏作の「Blenderpilot」は、3Dビューポートに経路を描くと、ローポリの雪山のジオラマが生成され、小さな車が走り出します。走行の轍もちゃんと付きます。
利用には「Blender 3.3」以降が必要です。また、1ユーロと少額ですが有償ですので、決済方法をお持ちでない方はご注意を。
入手した「Bp_(バージョン番号).blend」を「Blender」で開くと、すでに数フレームアニメーションが進んだ状態になっています。まずは一番下の「タイムライン」ヘッダー中央の再生コントロールの左端をクリックするか、[Shift]+[←]キーで再生位置を最初にしましょう。
[スペース]キーを押下、もしくは再生コントロールの再生ボタンをクリックすればアニメーションが再生されます。「レンダープレビュー」(3Dビューポート右上から変更※)にすると、上記販売サイトのような映像になりますが、重いのでそれなりのマシンパワーは必要です。もう一度[スペース]キー押すか、再生ボタンのクリックで停止します。
※もし表示されていなければ、境界線をドラッグするか、ヘッダーをホイールドラッグしてスクロールさせてみてください
経路のカスタマイズは、ファイルを開いた時に選択中のカーブを[編集モード]([Tab]キー押下または3Dビューポート左上から変更)して行います。既存の「制御点」を移動するか、[Del]キーで削除後、選択中の[ドロー]ツールで経路を描きます。
できた地形の木が経路を邪魔することがありますが、右側の[モディファイアープロパティ]内のパネルの[Terrain Seed]である程度排除できます。
他のパラメーターも試してみてください。
氏は他にも多数のジオメトリノードによる作品を公開されています。フリーの物もあるので探してみてください。
「Stylized Fantasy Tree Generator」
Rc2氏作のこの「Stylized Fantasy Tree Generator」は、ピンクやブルーの葉のファンタジーに出てきそうな木と、風によって揺れるアニメーションと、舞い散る木の葉を生成します。
Stylized Fantasy Tree Generator
上記のリンク先には2つのバージョンがありますので注意してください。本記事ではアニメーションが行える「v1.1」をご紹介しています。
ダウンロードした「Stylized Fantasy Tree 3.2.blend」ファイルを「Blender」で開きます。デフォルトのシェーディングモードでは色がついていませんが、「マテリアルプレビュー」モードにしてしばらくするとピンクの綺麗な木が表示されます。
中央の「ノードエディター」内のカーブで「幹」の形状を、左の「プロパティエディター」内で「枝」や「葉」、「風」の設定が行えます。もちろん、前項の「Blenderpilot」のようにアニメーション再生も可能です。
「Geometry Nodes Laser Melter」
Late as usual氏による「Geometry Nodes Laser Melter」は、レーザーが当たった形状が溶ける様子をシミュレートします。
「GN sdf hole.blend」ファイルを開くと、複雑なノードツリーと表面が溶けている「モンキー」がいます。[Shading]タブで切り替えると、あら不思議。形状が溶けて穴が開いているではありませんか。
こちらにも複雑なシェーダーノードツリーがあります。覗いてみるのもいいと思います。
[スペース]キーでアニメーションさせると、溶けた部分が動きます。また、レーザー(「Cube」)オブジェクトを移動すると、レーザーが当たった位置も移動します。
ちなみに「Suzanne」オブジェクトにアニメーションがついているため、そのままでは他のオブジェクトには適用できませんが、「編集モード」で形状の編集はできますので、他の形状に変更することもでき、マテリアルもそれなりに労力が必要ですが、変更は可能です。
Late as usual氏も他に多くの作品があるので、ぜひチェックしてみてください。
終わりに
まだまだ他にもご紹介したい作品はあるのですが、今回はとりあえずここまで。ジオメトリノードの可能性を感じていただければ幸いです。
ではまた。