Blender ウォッチング

「Blender」のジオメトリノードはこんなことまでできる! 凄い作品たち

雪山のジオラマや異世界の樹木を生成し、レーザーでオブジェクトが溶解

 本連載では、無料の高機能3Dモデリングツール「Blender」の使い方や関連情報を幅広くお伝えします。

今回ご紹介する3つのジオメトリノード作品

 今回は趣向を変えてジオメトリノードを使用した、面白い作品をいくつかご紹介してみたいと思います。アドオンとして完成しているわけではありませんが、様々な可能性を見せてくれる物ばかりです。

 本記事では「Blender 3.4.1」を使用しています。

入手方法について

 今回ご紹介する作品の入手先はすべて「Gumroad」からになります。

Gumroad – Sell what you know and see what sticks

 入手方法は、まず[公正な価格を設定して下さい]と書かれた部分のフィールドに適していると思われる値段を入れます。作者名の左にあるバナーに「0+」とあれば、無償で入手でき、そうでなければ有償となります。

 そして[これが欲しいです!](一度支払いもしくはメールアドレスを入力すると、[カートに入れる]に変化)をクリックすると、カートページに移行し、無償の場合はメールアドレスの入力が求められ、有償の場合は支払い方法を選択します。

 個人的には支払い方法には安全性のため、PayPal(PayPayではない)の利用をお勧めします。

 なお、何かトラブルが発生しても当方は一切関与しませんので、入手と使用は自己責任でお願いします。

左端のバナー(①)に手続きに必要な価格が書かれている。[公正な価格を設定して下さい]欄(②)に適切と思われる価格を入力し、[これが欲しいです!]をクリックすると、カートページに移行する
目次

「Blenderpilot」

 David Cescatti氏作の「Blenderpilot」は、3Dビューポートに経路を描くと、ローポリの雪山のジオラマが生成され、小さな車が走り出します。走行の轍もちゃんと付きます。

 利用には「Blender 3.3」以降が必要です。また、1ユーロと少額ですが有償ですので、決済方法をお持ちでない方はご注意を。

Blenderpilot - Geometry nodes

 入手した「Bp_(バージョン番号).blend」を「Blender」で開くと、すでに数フレームアニメーションが進んだ状態になっています。まずは一番下の「タイムライン」ヘッダー中央の再生コントロールの左端をクリックするか、[Shift]+[←]キーで再生位置を最初にしましょう。

一番下の「タイムライン」ヘッダー中央の再生コントロールの左端をクリックするか、[Shift]+[←]キーで再生位置を最初に設定

 [スペース]キーを押下、もしくは再生コントロールの再生ボタンをクリックすればアニメーションが再生されます。「レンダープレビュー」(3Dビューポート右上から変更)にすると、上記販売サイトのような映像になりますが、重いのでそれなりのマシンパワーは必要です。もう一度[スペース]キー押すか、再生ボタンのクリックで停止します。


もし表示されていなければ、境界線をドラッグするか、ヘッダーをホイールドラッグしてスクロールさせてみてください

[スペース]キーもしくは再生コントロールの再生ボタン(①)をクリックすればアニメーションが再生。「レンダープレビュー」(②)に切り替えると図のように綺麗になるがマシンパワーが必要

 経路のカスタマイズは、ファイルを開いた時に選択中のカーブを[編集モード]([Tab]キー押下または3Dビューポート左上から変更)して行います。既存の「制御点」を移動するか、[Del]キーで削除後、選択中の[ドロー]ツールで経路を描きます。

[編集モード](①)で既存の制御点を[Del]キーで全て削除後、[ドロー]ツール(②)で経路を描いているところ。地形はこの経路によって変化する

 できた地形の木が経路を邪魔することがありますが、右側の[モディファイアープロパティ]内のパネルの[Terrain Seed]である程度排除できます。

 他のパラメーターも試してみてください。

右側の[モディファイアープロパティ]内のパネルにて木の配置の乱数やヘッドライト設定が可能

 氏は他にも多数のジオメトリノードによる作品を公開されています。フリーの物もあるので探してみてください。

「Stylized Fantasy Tree Generator」

 Rc2氏作のこの「Stylized Fantasy Tree Generator」は、ピンクやブルーの葉のファンタジーに出てきそうな木と、風によって揺れるアニメーションと、舞い散る木の葉を生成します。

Stylized Fantasy Tree Generator

 上記のリンク先には2つのバージョンがありますので注意してください。本記事ではアニメーションが行える「v1.1」をご紹介しています。

作品ページには2つのバージョンがあるので注意

 ダウンロードした「Stylized Fantasy Tree 3.2.blend」ファイルを「Blender」で開きます。デフォルトのシェーディングモードでは色がついていませんが、「マテリアルプレビュー」モードにしてしばらくするとピンクの綺麗な木が表示されます。

ダウンロードしたblendファイルを読み込み、囲み内をクリックして「マテリアルプレビュー」モードにすると色付きに

 中央の「ノードエディター」内のカーブで「幹」の形状を、左の「プロパティエディター」内で「枝」や「葉」、「風」の設定が行えます。もちろん、前項の「Blenderpilot」のようにアニメーション再生も可能です。

幹の形状を変更してみた例。設定は中央の「ノードエディター」内のカーブと、左の「プロパティエディター」内のパラメーターで行う

「Geometry Nodes Laser Melter」

 Late as usual氏による「Geometry Nodes Laser Melter」は、レーザーが当たった形状が溶ける様子をシミュレートします。

Geometry Nodes Laser Melter

 「GN sdf hole.blend」ファイルを開くと、複雑なノードツリーと表面が溶けている「モンキー」がいます。[Shading]タブで切り替えると、あら不思議。形状が溶けて穴が開いているではありませんか。

ファイルを読み込み[Shading]タブに切り替えた状態

 こちらにも複雑なシェーダーノードツリーがあります。覗いてみるのもいいと思います。

 [スペース]キーでアニメーションさせると、溶けた部分が動きます。また、レーザー(「Cube」)オブジェクトを移動すると、レーザーが当たった位置も移動します。

 ちなみに「Suzanne」オブジェクトにアニメーションがついているため、そのままでは他のオブジェクトには適用できませんが、「編集モード」で形状の編集はできますので、他の形状に変更することもでき、マテリアルもそれなりに労力が必要ですが、変更は可能です。

モンキーを別の形状に変更してみた例

 Late as usual氏も他に多くの作品があるので、ぜひチェックしてみてください。

終わりに

 まだまだ他にもご紹介したい作品はあるのですが、今回はとりあえずここまで。ジオメトリノードの可能性を感じていただければ幸いです。
 ではまた。