いまさら聞けないExcelの使い方講座

【Excel】「千円」「百万円」単位にするために数値を入力し直してはいけない! 自動で数値を丸める方法

セルの書式設定で数値の見た目を整えられます

正確な数値が入力されていても見づらい……

 エクセルで集計表や予算表を作成した際、桁数の多い数値が並ぶと、ぱっと見でいくらなのかわからないですよね。数値が正確でも読み手が桁を見間違えるかも知れません。

 例えば「9,687,706」という数値を見て、一瞬で九百七十万弱とわかる人は限られるでしょう。桁数の多い数値が並ぶ表では、「千円」や「百万円」と注釈をつけて桁を丸めることがありますが、その方法を知っていますか?

 もちろん、元の表をコピーして、桁を丸めた数値を直接入力してはいけません。数値を修正してしまうと集計結果にも影響が出てしまいます。[セルの書式設定]ダイアログボックスで「ユーザー定義」の書式を指定すればOKです。

ユーザー定義の書式を指定すれば「千円」「百万円」単位での表現が可能です。

書式設定で末尾に「カンマ」を追加するのがポイント

 以下の表を見てください。現状では金額が大きくて、いくらなのか把握しにくいですよね。ユーザー定義の書式を指定して、見た目を「千円」単位に整えてみます。

ぱっと見でいくらなのかがわからないですよね。「いち」「じゅう」「ひゃく」……と数えたりしませんか?

 [セルの書式設定]ダイアログボックスは[Ctrl]+[1]キーですぐに呼び出せます。「ユーザー定義」の書式に慣れない方でも「,(カンマ)」を1つ追加するだけなので簡単です。

書式を設定したいセル範囲を選択(①)して、[Ctrl]+[1]キーを押します(②)
[セルの書式]ダイアログボックスが表示されました。[ユーザー定義](③)を選択して、リストから[#,##0](④)を選択します。半角で直接「#,##0」と入力しても構いません。サンプル(⑤)に注目してください。「9,687,706」と表示されています

 「#,##0」は桁区切り記号ありの数値で「0」の時はそのまま「0」を表示するという書式です。一般的な正の数の通貨表現ですね。セルに入力されている数値に桁区切り記号が付いて「9,687,706」と表示されています。

 続けて、末尾に「,(カンマ)」を追加するのがポイントです。1桁目から数えて最初の「,」、つまり千円以下の桁を区切る指定になります。なお、百円の桁で四捨五入されることを覚えておきましょう。

「#,##0」に続けて「,」を追加すると、千円以下の桁が区切られます
「#,##0」に続けて「,」を追加する(⑥)と、サンプルが「9,688」に切り替わります。[OK](⑦)をクリックします。
千円単位で表示できました。表に単位を追加しておきましょう(⑧)

「百万円」単位にしたい時は?

 考え方は「千円」単位と同じです。桁区切りの「,(カンマ)」をもう1つ追加して、ユーザー定義の書式を「#,##0,,」とします。加えて、ここでは数字の後ろに「百万円」の文字をつなげてみます。固定の文字列を表示したい時は「"」で挟むだけです。以下のような書式になります。

「#,##0,,」で「百万円」単位に区切られます。「"百万円"」と続ければ、セルには「百万円」の文字列が表示されます。

 なお、十万の桁が四捨五入されることを覚えておいてください。「9,687,706」を百万円単位で区切ると、十万の桁の「6」が四捨五入されて「10百万円」と表示されます。

先ほどと同様に、セル範囲を選択してから[Ctrl]+[1]キーを押して[セルの書式設定]ダイアログボックスを表示します。設定済みの書式は「#,##0,」(⑨)です
「,」を追加して「#,##0,,」(⑩)とすると、サンプル(⑪)には「10」と表示されます
続けて「"百万円"」と入力(⑫)すると、サンプルに「10百万円」と表示されます(⑬)。[OK](⑭)をクリックします
数値が百万の桁で区切られて「百万円」の文字列も表示されました

ユーザー定義の書式はいろいろ活用できる

 ユーザー定義の書式で、文字列の追加だけでも活用できるシーンは多いはずです。例えば、「"円"」と指定すれば、数値はそのままで「1,234円」と表示できます。セルに入力されているのは、数値だけなので、集計も可能です。ぜひ使ってみてください。