いまさら聞けないExcelの使い方講座

【Excel】3種類のドロップダウンリストを使い分けて業務全体の効率を上げる!

ドロップダウンリストを活用しよう

一時的なリスト? 任意の入力を許可? 利用シーンで使い分けよう

 繰り返し同じ値を入力する表がありますよね。コピー&ペーストで処理することが多いと思いますが、ドロップダウンリストリストから選択できると便利です。また、入力ミスや表記揺れを防ぐこともできます。

 以下の表は、担当者が進捗を入力する構造ですが、自由に入力されてしまっています。罫線がコピーされている箇所もありますね。

[進捗]列は決められた形式で入力して欲しいのですが、バラバラですね。

 このような表では、リストから項目を選択させて任意の値の入力を禁止する、もしくは、リスト項目以外の値も許可する、いずれかの設定をしておくといいでしょう。また、決まっている担当者を毎回入力するのも少し面倒です。今回は利用シーンに応じたドロップダウンリストの使い方を紹介します。

一時的なリストを活用する

 入力済みのデータを繰り返し入力する時は、ドロップダウンリストを作成する必要はありません。データを入力したいセルを選択して[Alt]+[↓]キーを押してみてください。アクティブセルより上側に入力済みのデータが一覧で表示されます。設定不要で、すぐに利用できるテクニックです。

データを入力したいセルを選択して[Alt]+[↓]キーを押します(①)。上側に入力済みのデータがリストで表示(②)されるので、入力する項目を矢印キーで選択して[Enter]キーを押します。
選択した項目を入力できました(③)

ドロップダウンリストを作成する

 リストにある項目のみ入力可能なドロップダウンリストを作成してみましょう。[データの入力規則]の機能を利用します。ここでは、リストに表示する一覧を別表として用意していますが、この別表は別のワークシートにあっても構いません。

ドロップダウンリストを設定するセル範囲(セルC2~C15)を選択します(④)。[データ]タブ(⑤)の[データの入力規則](⑥)をクリックします
[データの入力規則]ダイアログボックスが表示されました。[設定]タブ(⑦)の[入力値の種類]から[リスト]を選択(⑧)して、[元の値]の右端にあるボタン(⑨)をクリックします
[データの入力規則]ダイアログボックスが縮小されます。ドロップダウンリストに表示するセル範囲(セルE2~E8)を選択します(⑩)。セル範囲が正しく表示(⑪)されたら[Enter]キーを押します
ドロップダウンリストが設定されました。セルを選択すると矢印のボタン(⑫)が表示されます。クリックするとドロップダウンリスト(⑬)が表示されます

 上記の設定では、リストの項目以外の値の入力は禁止されています。試しに任意の値を入力すると、エラーが表示されます。エラーメッセージが表示されたら[キャンセル]をクリックします。

ドロップダウンリストにある項目以外を入力してみます(⑭)
エラーメッセージが表示されます。[キャンセル](⑮)をクリックしてください

 なお、上記の操作ではリストの項目用に別表を用意していましたが、「,」(カンマ)で区切って指定することも可能です。2,3項目のリストであれば、直接指定してもいいでしょう。

[データの入力規則]ダイアログボックスの[元の値]に「,」で区切って、直接項目を指定する(⑯)こともできます
ドロップダウンリスト(⑰)の動作は同じです

リスト以外の値の入力を許可する

 例外的にリスト項目以外の値を入力したいこともあるでしょう。[データの入力規則]ダイアログボックスでエラーメッセージのスタイルを[停止]から変更します。[注意]、もしくは[情報]に変更すると任意の値を入力できるようになります。メッセージボックスに表示する任意のメッセージも指定可能です。

ドロップダウンリストを設定済みのセル範囲を選択して、[データの入力規則]ダイアログボックスを表示しておきます。[エラーメッセージ]タブ(⑱)の[スタイル]から[注意](⑲)を選択します。必要に応じて[タイトル]と[エラーメッセージ]を指定(⑳)します。空白のままでも構いません。[OK](㉑)をクリックします。
リスト項目にない値を入力してみます(㉒)
メッセージが表示されました。先ほど指定した[注意]のアイコンとメッセージが表示されています。[はい](㉓)をクリックします。[いいえ]をクリックすると、メッセージが閉じて再入力できる状態になります。[キャンセル]で入力取り消しです
リストにない値を入力できました(㉔)

制限の強さでメッセージを使い分ける

 ドロップダウンリストのスタイルは標準で[停止]です。入力が制限され、任意の値は禁止です。[注意]と[情報]では、メッセージの確認後に任意の値を入力できますが、[注意]のアイコンのほうが注意喚起になるでしょう。[情報]は入力案内の傾向があります。実際のメッセージは以下の通りです。制限の強さで使い分けてください。

スタイルを[情報]に設定した場合のメッセージ。[はい]で任意の値が入力され、[いいえ]をクリックすると、メッセージボックスが閉じて再入力できる状態になります。[キャンセル]で入力取り消しです