Windows新標準アプリ徹底解説
デスクトップのスクリーンショット撮影は「Snipping Tool」アプリにお任せ!
「切り取り領域とスケッチ」の長所も引き継ぎ、シンプルで使いやすいツールに
2022年5月2日 15:30
Windows 11で刷新されたインボックス(OS同梱)アプリを紹介する本連載。今回は、デスクトップのスクリーンショットを撮影できる「Snipping Tool」アプリを紹介する。
「Snipping Tool」は、Windows Vista以降のOSに標準搭載されているデスクトップのキャプチャー(撮影)アプリ。スクリーンショットをクリップボードにコピーする[Print Screen]キーと異なり、撮影までの待機時間を指定したり、スクリーンショットを編集・加工できるのが特徴だ。
「Windows 10 バージョン 1809」(October 2018 Update)で「切り取り領域とスケッチ」(Snip & Sketch)という代替アプリが導入されたため、一時期は廃止が計画されていたが、「Snipping Tool」に慣れ親しんだユーザーから根強い反対の声があり、一転して存続が決まったという経緯がある。
しかし、このせいで「Snipping Tool」と「切り取り領域とスケッチ」という2つのスクリーンショットアプリが両立するという、少々混乱した事態を招いてしまった。
Windows 11ではこれを反省し、両者が統合されている。名称と基本的なコンセプトは馴染みのある「Snipping Tool」を継承する一方、デザインと編集機能、スクリーンショットの手順などは「切り取り領域とスケッチ」を引き継いでおり、双方のよいところを組み合わせた格好だ。
キャプチャーの始め方
Windows 11でデスクトップのキャプチャーを開始する方法はいくつかある。まずはそれを1つずつ見ていこう。
「Snipping Tool」アプリを起動して[新規]ボタンを押す
まずは「Snipping Tool」アプリを起動して[新規]ボタンを押す方法だ。「Snipping Tool」に慣れたユーザーにとっては、もっとも自然な方法といえるだろう。
[新規]ボタンを押す前に[切り取りモード]と[遅延切り取り]というオプションを指定できる(後述)が、[切り取りモード]に関してはどれを選んでもキャプチャーの際に変更できる。実質的に意味があるのは、撮影までの待機時間を指定する[遅延切り取り]オプションの方だけだ。
「Snipping Tool」アプリアイコンの右クリックメニュー
わざわざ「Snipping Tool」アプリを起動するのが面倒だ、キャプチャーを頻繁に行うといったユーザーは、「Snipping Tool」アプリをタスクバーにピン留めするのがお勧めだ。タスクボタンのジャンプリスト(右クリックメニュー)からキャプチャーを開始できる。[遅延切り取り]オプションも指定可能だ。
ただし、タスクバーにピン留めするとスクリーンショットに「Snipping Tool」アプリが写りこんでしまうというデメリットがあるので注意。
キーボードショートカットを利用する
「Snipping Tool」アプリの起動は面倒だが、タスクバーにピン留めした「Snipping Tool」アプリが写りこんでしまうのも嫌だという人は、[Windows]+[Shift]+[S]キーというショートカットを覚えよう。これを使えば、即座にキャプチャーを開始できる。
ワンキーで済ませたいならば「設定」アプリで[Print Screen]キーに[画面切り取り]コマンド(つまりはスクリーンショットの開始)を割り当てることもできる。
デメリットは撮影までの待機時間を指定できないことだ。
ペンを利用する
もしデバイスにペンがインストールされているならば、ペンのボタンをクリックすることでキャプチャーを開始することもできる。
既定ではペンのショートカットボタンのダブルクリックが[画面の領域切り取り]に割り当てられているが、これはカスタマイズも可能。ペンを保管場所(たとえば「Surface Laptop Studio」ならば底面にペンをマグネットでくっつけることができる)から取り外したときに現れるペンメニューから「Snipping Tool」アプリを起動することも可能だ。
キャプチャーを行う
キャプチャーを開始すると「Snipping Tool」アプリが隠れ、デスクトップ全体が暗くなり、上部にツールバーが現れる。このツールバーは[切り取りモード]を選択するもので、以下の4つが用意されている。
- 四角形の領域切り取り:マウスのドラッグ操作などで矩形を選択
- フリー フォームの領域切り取り:好きなエリアを切り取り。ペンやタッチ操作と相性がよい
- ウィンドウの領域切り取り:選択したウィンドウをキャプチャー
- 全画面表示の領域切り取り:デスクトップ全体のスクリーンショットを撮る
[切り取りモード]とキャプチャーエリアの選択が完了すると、デスクトップ右下隅にトースト通知が現れる。これをクリックすると「Snipping Tool」アプリが再び現れ、スクリーンショットの編集モードになる。