残業を減らす!Officeテクニック

情報収集に「OneNote」が便利すぎ!写真もスクショもメモもWebもスクラップ&同期

スマホ版とWindowsで同期する付箋機能も便利

OfficeアプリのOneNoteも使ってみよう

 Officeアプリのひとつ「OneNote」(ワンノート)をご存じですか? Webサイトの記事や自分のメモ、写真などの情報を効率よく収集できるクリップ用のツールです。2003年からリリースされており、最新のOffice 2021はもちろん、Office 2019/2016/2013、Microsoft 365でも利用可能です。

 知名度の若干低い印象のOneNoteですが、Microsoft提供だけあって、Officeアプリとの連携がスムーズ。パソコンに限らず、スマートフォンから収集したメモ、撮影した写真などをまとめて1カ所にクリップ可能。この使い勝手は資料をまとめる前段階の作業に適しています。集めた情報をそのままWordへエクスポートすることも簡単です。普段、OneNoteを使っていない方も試してみてはいかがでしょうか。


※本稿の内容は「Office Professional Plus 2021」で動作確認しています。

はじめての情報収集ツールに「OneNote」はいかが?

 文書作成は「Word」、表計算は「Excel」など、目的に応じてアプリを使い分けるのが一般的ですよ。ただ、ゴールが見えている時は効率的ですが、情報収集の段階ではどうでしょう。集めた情報をどこかにデータを保存しますよね。気になるWebサイトをブックマークしたり、必要な資料をダウンロードして整理したりします。

 多量の情報をExcelでリスト化することもあります。関連する画像や図版などの差し込み、所感のメモなどが必要ならWordの出番です。複数のファイルを開いては閉じ、コピー&ペーストを繰り返したりしてませんか。そんなときに「OneNote」が便利なのです。

「OneNote」を使ってWindows 11の情報をクリップした例。ニュースサイト、ECサイト、スペックのメモなど、任意の情報をまとめて保存可能。“セクション”と“ページ”で目的の情報を整理できる

 基本的にURLや画像を「OneNote」のウィンドウにドラッグすればOK。テキストや図表などを直接入力することもできます。目的に応じて“セクション”を切り分けて雑多な情報をまとめられます。

 Officeアプリでお馴染みの「リボン」と呼ばれるタブを操作するインターフェイスなので操作に迷うことはないでしょう。タブは標準で非表示になっているので、クリックして表示、もしくはダブルクリックで固定表示して利用します。表の挿入、手書き描画にも対応しています。

[挿入]タブを開いた状態。表や画像、ビデオなど、他のOfficeアプリと同じ感覚で操作できる
[描画]タブを開いた状態。マウス操作のほか、タッチパネル操作も可能

 OneNoteでは「ノート」→「セクション」→「ページ」の階層で内容が管理され、それぞれ複数作成可能です。目的に応じて「ノート」を作成して、「セクション」で整理するとわかりやすいと思います。「ページ」は現実のノートのように広さの制限はないので、1ページのみで済ましても問題ありませんが、内容で区切るといいでしょう。

新しい「ページ」を追加した状態。画面右側のパネルで操作する。OneNoteでは「ノート」→「セクション」→「ページ」の階層で内容が管理される。画面左上のノート名(ここでは、Windows 11)をクリックして、追加や切り替えが可能。「セクション」は画面上部のタブで操作する

 仕事で使うパソコンにはOfficeアプリがインストール済みと思いますので、情報収集ツールとして「OneNote」は悪くない選択肢です。

スマートフォンとの連携の課題を解決する「OneNote」

スマートフォンの「OneNote」アプリでノートの内容を表示した。もちろん追記可能

 ところで、自分のパソコンとスマートフォンにおける「データ」のやり取りはどうしていますか? 他人から共有されてない情報こそ取り出すのが難しいものです。自分用のメモとして、自分専用のチャットに投稿したり、自分にメールしたりする人もいるようですが、情報の検索性はイマイチです。

 「OneNote」ならパソコンで保存したメモをスマートフォンで、逆にスマートフォンで保存したメモをパソコンで閲覧・編集のどちらも可能です。

 例えばスマートフォンで撮影した写真も「OneNote」に保存できます。しかも、写真に写った活字までOCR処理して検索できるなど、検索性もバッチリ。ホワイトボードを撮影して写真に保存しているなら、関連資料と共に「OneNote」に取り込んでしまうのも便利な使い方です。なお、パソコンとスマートフォンで同一のMicrosoftアカウントでログインしておくことに注意してください。

ちょっとしたメモには「付箋」を活用する

 何でも追記できる「OneNote」ですが、余計な情報を集約するのは無駄です。例えば「○○という雑誌をチェックしておきたい」「気になるデバイスを量販店で触りたい」など、簡単なメモを残したいときは「付箋」の機能がおすすめです。メインのノートとは別に保存でき、もちろんスマートフォンとも同期します。

スマートフォンの「OneNote」アプリでノートを開いて[付箋]をタップ。右下の[+]をタップして「メモ」を追加した
パソコンでノートを開き、画面右上の[フィードを開く]をクリックすると「付箋」の内容が表示される

 なお、パソコンの「Microsoft Sticky Notes」([付箋]アプリ)で作成したメモも「OneNote」の「付箋」に同期されます。

 Webサイトの情報も、資料のデータも何でも放り込める「OneNote」。打ち合わせ中などでスマートフォンに触れないタイミング、もしくは外出中にメモ代わりに撮影した写真などが、自動的に同期するのはかなり便利です。使いはじめると手放せないツールになると思いますよ。