Wordで「縦書き」を使う機会は少ないですよね。案内状や手紙、趣味の小説やエッセイ、日記などが代表例でしょうか。横書きから縦書きにする操作自体は簡単ですが、困ることがいくつかあります。たまにしか使わない機能だからこそ、「縦書き」の課題を振り返っておきましょう。
ページレイアウトを整えるコツ
縦書きで文書を作成する場合、イラストや図形を挿入することは少なく、文字だけのことが多いでしょう。縦書きで、テキストがびっしりと画面に並ぶと違和感があるはずです。横書きの設定が引き継がれているのですが、縦書きだと気になるのが不思議ですね。
電子書籍に慣れている人なら、読みやすいように表示をカスタマイズしますよね。Wordの「縦書き」でも、書きやすいように、上下左右の余白、フォントサイズ、1行の文字数など、レイアウトを考えて調整しましょう。
横書きから縦書きへの切り替え
横書きから縦書きへの切り替えは簡単。[レイアウト]タブから、文字の方向を選択します。入力済みの文書でも、新規文書でも操作は共通です。
[レイアウト]タブの[文字列の方向を選択]-[縦書き]を選択する。テキストを選択しておく必要はない フォントと余白の設定
好みのフォントやフォントサイズがあれば設定しておきます。ページの上下左右の余白も同様です。1行の文字数や行間はフォントと余白に依存するため、最初に設定することをおすすめします。
文章全体を選択しておく。[ホーム]タブからフォントとフォントサイズを設定する フォントサイズを調整できた。続けてページの余白を設定する。[レイアウト]タブの[ページ設定]をクリックする [ページ設定]ダイアログボックスが表示された。[余白]タブで上下左右の余白を設定する。ここでは、上下20mm、左右15mm、とじしろは「上」に10mmとした 1行の文字数と1ページの行数の指定
続けて1行の文字数と1ページの行数を指定します。ルビの有無なども考慮して設定してください。
[レイアウト]タブの[ページ設定]をクリックして[ページ設定]ダイアログボックスを表示しておく。[文字数と行数を指定する]をクリック。ここでは1行40文字、1ページに30行とした。文字数の[字送り]は文字と文字の間隔、行数の[行送り]は行間のこと。好みで設定して構わないが、自動的に設定される値のままで問題ない 好みのレイアウトに設定できたでしょうか? 最初にフォントと余白、続けて文字数と行数を設定するのがコツです。レイアウトを調整しておくと筆も進むはずです。なお、新聞のように「段組み」することも簡単ですよ。
[レイアウト]タブの[段組み]から段数を選択する。テキストを選択しておく必要はない 英数字を回転させる
「縦書き」で誰もが遭遇する課題です。半角の英数字は縦書きにしても、自動的に縦方向になりません。解決方法は2つ。全角に変換するか、「縦中横(たてちゅうよこ)」の機能を使うかのどちらかです。
半角の数字を含む文字列を選択する。[ホーム]タブの[文字種の変換]-[全角]を選択する 半角英字を選択する。[ホーム]タブの[文字種の変換]-[全角]を選択する 縦書きにするために英字を全角に変換するかどうかは書き手の方針によります。企業名などは全角縦書きで問題なくても、URLやメールアドレスを全角で縦書きは読みにくいですよね。
上記の日付を全角にした処理で気になるのは数字の「22」でしょう。縦に2桁並べたいときは「縦中横」の機能を使います。縦中横は、全角文字でも設定可能ですが、半角数字のほうが1行の幅にキレイに収まります。
2桁の半角数字を選択する。[ホーム]タブの[拡張書式]-[縦中横]を選択する [縦中横]ダイアログボックスが表示された。[行の幅に合わせる]にチェックが付いていることを確認して[OK]をクリックする 原稿用紙の設定
原稿用紙のイメージを表示して入力することも可能です。なお、入力済みのテキストを原稿用紙のスタイルに変換する場合は原稿用紙の罫線のズレを防ぐため、「とじしろ」を「0」に設定しておきます。
[ページ設定]ダイアログボックスを表示しておく。[とじしろ]を「0」に設定する [レイアウト]タブの[原稿用紙設定]をクリックする [原稿用紙設定]ダイアログボックスが表示された。[マス目付き原稿用紙]を選択して、[文字数×行数]を指定する。ここでは罫線の色を茶色にした。用紙の向きを変更したい時は[縦][横]から指定する 原稿用紙のイメージが設定された。元に戻す時は[原稿用紙設定]ダイアログボックスの[スタイル]で[原稿用紙の設定にしない]を選択する