残業を減らす!Officeテクニック
Excelのシートに苦労して設定した数式を壊さないで! セルを編集不能にする方法
「シートの保護」を使わないテクニックも
2022年10月3日 06:55
最近、ファイルを共同編集する機会が増えていますよね。ひとつのExcelファイルを複数人で触る場合、引継いだファイルを更新することが多いでしょう。Excelが得意な人がテンプレートを作成していることもありますよね。
作業を割り当てられたメンバーは、データ入力に集中できて万事うまくいきそうですが、課題になるのが「数式の扱い」です。「何もしていないのにエラーが表示された!」と言われたり、久しぶりにファイルを開いたら、苦労して作成した数式がすっかり消されている!? なんて経験があるのではないでしょうか。
「シートの保護」の機能を活用してセルをロックしておきましょう。数式の入力されたセルはもちろん、更新して欲しくないセルを狙って編集不可に設定できます。
定番の機能ですが、扱いにくいと避けている人もいると思います。ひとつずつ設定すれば簡単です。また、簡易的に数式をロックする方法も紹介します。
ロック? シートの保護? はじめに整理しよう
「シートの保護」の機能が扱いにくいのは、機能名が原因のような気がします。そもそも、Excelのセルは「ロック」されていることを覚えておきましょう。試しに新しいExcelファイルを開いて、[セルの書式設定]ダイアログボックスを表示して[保護]タブを確認してみてください。
「ロック」は「シートの保護」を有効にした時に 保護する 対象のセルを指します。つまり、ファイルを開いて「シートの保護」を有効にした時点でセルに制限がかかるというわけです。「ロック」と表記されていますが、機能名としては「ロック対象」が適切だと思いませんか。
お気づきと思いますが、編集可能にしたいセル範囲の[ロック]をOFFにしてから、「シートの保護」を有効にすればいいのです。以下の例では、担当者は本人に入力して欲しいけど、そのほかのセルは編集して欲しくないというケースです。編集可能にするセルB2~E21の[ロック]をOFFにします。
数式の入力されたセルのみロックする
今度は数式の入力されたセルを対象にロックしてみましょう。考え方は数式の入力されたセルを“ロックの対象”にしてシートの保護を有効にします。
先ほど設定したシートの保護を解除し、すべてのセルの[ロック]をいったんOFFとします。「ジャンプ」の機能で数式の入力されたセルを一気に選択すればあとは同じ。「ロック」→「シートの保護」の流れになります。
[データの入力規則]で簡易的にロックする
「シートの保護」の機能を使わないテクニックもあります。[データの入力規則]の本来の使い方ではありませんが、簡易的にセルをロックすることが可能です。ただし、コピー&ペーストによるセルの上書きは防げません。数式の入力されたセルに空白セルをコピペされてしまう可能性はあります。
[ジャンプ]ダイアログボックスから数式のセルを選択しておきます。[データの入力規則]として数式に「FALSE」と入力します。結果が「FALSE」になる数式であれば何でも構いません。例えば「=""」や「a=b」と指定しても同じ動作になります。