残業を減らす!Officeテクニック

Excelで表のどこを修正したのかわからない! [校閲]タブより効率的に見分ける方法

セルの編集と同時に書式を変更できる!

 誰かにExcelファイルの更新作業をお願いした際、どこを編集したのかわからなくて困ることがありませんか? [校閲]タブには[変更内容を表示]というボタンが用意されており、修正箇所を一覧で確認できますが、使い勝手が良いとは言えません。

[校閲]タブの[変更内容を表示]をクリックした状態。修正箇所を一覧で確認できるが、確認しにくい

 修正箇所が大量にある場合は、一覧をひとつずつチェックするのは現実的ではないですよね。結局、表の最初から最後まですべてチェックし直した経験があるのではないでしょうか。

 実は修正したセルを自動的に強調させるテクニックがあります。[条件付き書式]を使います。また、比較用にコピーする作業前のワークシートを保護しておくと万全です。

[条件付き書式]を設定する

 まず変更前のワークシートをコピーしておきます。[条件付き書式]の機能を利用して、ワークシート全体、もしくは表のセル範囲を比較し、“一致していない”場合、つまり更新した場合にセルの書式を変更する仕掛けを作ります。

ワークシートをコピーしておく。[Ctrl]キーを押しながらドラッグすれば簡単にコピーできる
編集対象のワークシート(ここでは[住所録])を表示して、左上の[◢]をクリックしてワークシート全体を選択する
[ホーム]タブの[条件付き書式]-[新しいルール]の順にクリックする
[新しい書式ルール]ダイアログボックスが表示される。[指定の値を含むセルだけを書式設定]を選択して、[セルの値][次の値に等しくない]を選択する。[↑]をクリックする
[新しい書式ルール]ダイアログボックスが縮小する。コピーしたワークシートを選択する
切り替えたワークシート(ここでは[住所録(2)])のセルA1をクリックすると、自動的に「='住所録 (2)'!$A$1」と入力される
[F4]キーを3回押して「='住所録 (2)'!A1」の状態にする。絶対参照の「$A$1」を相対参照の「A1」に切り替えるわけだ。入力し直しても構わない。[↓]をクリックする
[新しい書式ルール]ダイアログボックスが元の大きさに戻る。[書式]をクリックして、セルの書式を設定しておく。ここでは背景色を黄色に指定した。[OK]をクリックする

動作を確認する

 修正対象のワークシートを編集して、動作を確認してみましょう。変更したセルの書式が変更されます。ただし、行や列の追加は強調できますが、削除した場合は[条件付き書式]の対象となる行や列がなくなるため、強調されません。[変更内容を表示]の一覧とあわせて確認してください。

試しにセルB3の内容を変更してみる
修正したセルの書式が変更された
編集したセルの書式が自動的に変更される。追加した行も強調される

参照元のワークシートを保護する

 このテックニックは[条件付き書式]を使って、参照元のワークシートの内容との違いを強調します。元になるワークシートを編集できないように保護しておくといいでしょう。なお、シートタブを右クリックして[非表示]とすると、[条件付き書式]に指定した数式が壊れてしまい、設定した仕掛けが機能しなくなるので注意してください。

参照元のワークシートを表示しておく。[校閲]タブの[シートの保護]をクリックする
任意のパスワードを指定する。[シートとロックされたセルの内容を保護する]にチェックが付いていることを確認して[OK]をクリックする
先ほど入力したパスワードをもう一度入力して[OK]をクリックする
ワークシートが保護されると、ボタンが[シート保護の解除]に切り替わる