残業を減らす!Officeテクニック

Wordにせっかく設定した書式を崩さないで! ガチガチのテンプレで防衛する方法

Wordで書式の崩れを防ぐ方法

 Wordで作成した資料の修正を部下に指示したら、書式が崩れて戻ってきた……。このような経験がある人は多いと思います。内容の修正はともかく、書式を修正する作業は時間の無駄ですよね。以下は、ぱっと見ちゃんとしていそうで、問題アリな例です。

よく見ると、本文に複数のフォントが混在しているほか、見出しのフォントもおかしい

 別の資料やWebページなどからコピー&ペーストした場合、書式も同時にコピーされてしまうことがあります。また、貼り付け位置の直前に設定された書式を引きずってしまうこともありますね。自分ひとりで作業していても発生する可能性のある問題です。

 理由はどうあれ、全体のチェックと書式の再設定が必要になります。今回は“書式崩れ”の悩みを防止するためのテクニックを紹介します。

スタイルを活用する

 「スタイル」はフォントの種類やサイズといった文字書式や、囲みや背景色などの段落書式をまとめて登録しておける機能です。[ホーム]タブの[スタイル]グループに並んでおり、視界には入っているはずですが、一度も使ったことがない人もいるのではないでしょうか。

 クリックするだけでオリジナルの書式を適用できる優れものです。後述する[文書の保護]で活用するので、統一したい書式を登録しておきます。例えば「小見出し」を「見出し」に変更したり、「本文」から「小見出し」に変更したりする作業も簡単になります。

 このサンプルは「見出し」と「小見出し」のスタイルを登録済みの状態です。詳しくは以前の記事も参照してください。

サンプルでは「見出し」と「小見出し」のスタイルを登録済み
スタイルに登録する文字や段落を選択して[スタイル]-[スタイルの作成]の順にクリックして登録する。スタイルが適用済みの場合は、該当のスタイルが選択される。ここでは「見出し」が選択されている
書式を変更したい段落を選択して、スタイルを選択する
段落のスタイルが変更された。同様に「本文」から「小見出し」といったスタイルの変更も簡単

[文書の保護]を有効にする

 スタイルだけでも書式の統一には役立ちますが、今回は書式の変更を禁止する[文書の保護]の機能を利用します。パスワードなしでも設定できますが、第三者に書式を崩されたくないなら、パスワードを設定しておくことをおすすめします。

[校閲]タブの[保護]-[編集の制限]をクリックする
[利用可能な書式を制限する]にチェックを付けて、[はい、保護を開始します]をクリックする
任意のパスワードを入力して[OK]をクリックする
[文書の保護]が有効になった。解除する場合は画面下部の[保護の中止]をクリックする

設定状況を確認する

 [文書の保護]を有効にした後に[ホーム]タブに切り替えると、書式に関連するメニューが無効になっていることがわかります。内容は編集できても、書式は編集できない状態です。また、単純なコピペでも“書式崩れ”の心配はなくなります。例えば、本文の一部を見出しにコピペしても大丈夫です。

[ホーム]タブに切り替えると、書式に関するメニューが無効になっていることがわかる
本文の一部をコピーする
単純に[Ctrl]+[V]で貼り付けても設定済みのスタイルが適用される

 個別の書式は設定できない状態ですが、「スタイル」は適用可能です。すでに書式が崩れてしまっている箇所は、スタイルで整えられます。

書式の崩れている箇所を選択して、適用したい「スタイル」をクリックする
登録されたスタイルに統一された
スタイルは任意に適用可能