残業を減らす!Officeテクニック

Wordをデフォルト設定で使うのは非効率?! 時短に効くカスタマイズ術

最初にチェックしておきたいWordの設定

 何となく触りはじめても、それなりに使えるアプリが「Word」でしょう。学生時代からスマートフォンやパソコンに囲まれていれば操作に悩むことも少ないと思います。日本語入力もできますし、Excelのように関数を覚える必要もありません。

 職場でドキュメントを作成するとしても、前任者から引き継いだWordファイルもあるでしょう。そんな訳で、支給されたパソコンにインストールされたWordをそのまま使い続けている人が多いのです。

 しかし、作業の途中で設定を変更しながら使うのは効率的ではありません。また、よく利用する余白やフォントは決まっていることが多いでしょう。毎度、変更するのは無駄ですよね。今回は、Wordで見直しておきたい設定とカスタマイズのコツをいくつか紹介します。

最初に見直しておきたい設定3つ

識別可能な「ユーザー名」を設定する

 最初にコメントや修正履歴に表示される「ユーザー名」を設定しておきましょう。「ユーザー1」などになっていないか確認してください。支給のパソコンではありがちです。誰の作業なのか把握しにくくなり、共同作業を行なうメンバーに迷惑がかかります。

[ファイル]-[オプション]の順にクリックして[Wordのオプション]を表示する。[全般]から[ユーザー名]と[頭文字]を設定しておく。[Officeへのサインイン状態にかかわらず、常にこれらの設定を使用する]にチェックを付ける
設定した「ユーザー名」がコメントや修正履歴に反映される

編集記号はすべて表示する

 全角・半角スペース、改段、改行、タブなどを示す記号を「編集記号」と呼びます。編集記号を表示することで、意図せずに挿入してしまったスペースやタブ、半角・全角スペースの不統一の回避などを確認できるようになります。なお、ディスプレイには表示されますが、紙やPDFへの出力時には非表示になるので安心してください。

何も問題ないように見えるが……
[Wordのオプション]の[表示]を選択。[すべての編集記号を表示する]にチェックを付ける
余計なスペースやタブが含まれていることを確認できる

自動保存の間隔と保存場所を指定する

 自動保存の間隔とファイルの保存場所を確認しておくことをおすすめします。上書き保存していない時に限ってフリーズしたりしますよね。短すぎてもパソコンに負荷がかかるので、5分程度が目安だと思います。

 ファイルの保存場所は保存時に指定できますが、ダイアログボックスから目的のフォルダーを指定するのは意外と手間がかかります。例えばデスクトップなど、新規のファイルを保存するフォルダーを指定しておくと便利です。

[Wordのオプション]の[保存]を選択。[次の間隔で自動回復用データを保存する]にチェックを付けて「分」を指定する。ファイルの保存場所は[既定でコンピューターに保存する]にチェックを付けて指定する
新規ファイルの作成後に[Ctrl]+[S]キーを押したときに表示されるダイアログボックス。先ほど指定した保存場所が選択された状態で表示される

基準の様式を指定したい場合の設定

余白を指定する

 余白の増減によって、文書の仕上がりの印象が変わるため、新規ファイルの作成時や、ある程度入力したタイミングで調整することをおすすめします。毎度、余白を調整しているなら[既定に設定]を指定しておきます。

[レイアウト]タブの[余白]から余白を選択できるが、自分で指定する場合は[ユーザー設定の余白]を選択する
[ページ設定]ダイアログボックスの[余白]タブが表示される。任意の数値で余白を指定する。いったん[OK]をクリックして設定した余白を確認する
余白が変更された。問題なければ、この余白を既定として登録しよう
[レイアウト]タブの[余白]から[ユーザー設定の余白]を選択して、[ページ設定]ダイアログボックスの[余白]タブを表示する。指定した数値で余白が設定されている。[既定に設定]をクリックする
テンプレート(Nomal.dotm)に登録してもいいかどうかを確認するメッセージが表示される。[はい]をクリックする

 テンプレート(Nomal.dotm)とは、Wordの起動時に読み込まれるファイルです。標準では、C:¥Users¥(ユーザー名)¥AppData¥Roaming¥Microsoft¥Templatesに保存されています。最後に表示されるメッセージは、このファイルを更新していいかどうかを確認しているわけです。

 なお、余白と「インデント」は別物です。Wordを使いはじめたばかりの人は意識していないと思いますので、こちらの記事も参考にしてください。

既定のフォントとサイズを指定する

 新規ファイルの作成時にフォントとフォントサイズを指定し直すことがあります。[Wordのオプション]には該当の項目がないため、設定できないと諦めているかもしれませんね。

 [フォント]ダイアログボックスから[既定に設定]で登録可能です。余白と同様、テンプレート(Nomal.dotm)に登録しておくと、以降のファイルでは指定したフォントの種類とサイズが既定に設定されます。

[ホーム]タブの[フォント]をクリックする
[フォント]ダイアログボックスが表示された。フォントの種類とサイズを指定して、[既定に設定]をクリックする
[Nomal.dotmテンプレートを使用したすべての文書]を選択して[OK]をクリックする

ヘルプを呼び出す[F1]キーを無効化する

 入力モードの切り替えに[半角/全角]キーを押そうとしたら、間違えて[F1]キーを押してしまってヘルプが起動……。一度は経験がありますよね。無効化する方法を紹介します。

[Wordのオプション]を表示しておく。[リボンのユーザー設定]を選択して、[ユーザー設定]をクリックする
[キーボードのユーザー設定]ダイアログボックスが表示された。[分類]から[[ヘルプ]タブ]を選択して、[コマンド]から[Help]を選択する。[現在のキー]に表示されている[F1]を選択して、[削除]をクリックする
[現在のキー]に何も表示されていないことを確認して[閉じる]をクリックする。[Wordのオプション]の画面に戻るので[OK]をクリックしておく

 この設定もテンプレート(Nomal.dotm)に登録されます。設定後にWordを再起動して試してみてください。[F1]キーを押しても無反応になります。ヘルプが必要な時は[ヘルプ]タブから呼び出せます。

 Excelで[F1]キーを無効にする方法も過去に紹介しているので、よければ参考にしてください。