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Wordで凝ったレイアウトは無理? 知っていれば変則レイアウトも簡単

Wordで思い通りの「段組み」レイアウトを作成する

 Wordを使った「段組み」の文書をイチから作成する機会はあまりないでしょう。凝ったレイアウトを作りたいなら、PowerPointを使う人も多いですよね。しかし、ボリュームのあるレポートなどは、文書作成ソフトのWordがやはり便利。注釈の追加や校正機能、目次の自動作成などが使えるメリットがあります。

 良くも悪くも、Wordで作った文書は似たような仕上がりになりがちです。読みやすくなるように、余白や行間を調整するのが一般的ですが、大きく印象は変わりません。

普通のWord文書の例。図版や表を入れても大体同じように仕上がるはず

 書類の目的によりますが、読ませるためのメリハリが欲しいですよね。上の例の一部分を「段組み」すると、以下のようになります。

文書の一部を段組みした例

 [レイアウト]タブから「段組み」しただけですが、これだけでも印象が変わりますよね。1行あたりの文字数が減って読みやすくなりました。このような調整はインデントでも可能ですが、数クリックで整えられるのは[段組み]の機能のいいところです。今回は段組みの設定と、変則レイアウトに使える「リンク」の機能について紹介します。

対象の行を選択して「段組み」

 段組みの設定は[レイアウト]タブから[段組み]ボタンをクリックするだけです。段組みしたい行を選択してから操作するのがポイントです。

 文書全体を段組みにする場合、[Ctrl]+[A]キーで全選択してから操作したほうが効率的に思えますが、途中で段組みが邪魔になることが多いです。例えば、節見出しを入れたい時など、該当行を選択して「1段組」に設定し直すことになります。

[レイアウト]タブにある[段組み]から[2段]を選択する
文書の一部を2段組に設定できた

 1段目(左側)を広くして、2段(右側)を狭くするといった指定もメニューから選択するだけです。段に含まれている図版を調整して、文章と高さを揃えます。

同様に行を選択しておき、[レイアウト]タブにある[段組み]から[2段目を狭く]を選択する
1段目(左側)が広くなり、2段(右側)が狭くなった
図版の大きさを調整しておく

 以下は段組みの設定がわかりやすいように、段落の前後に改行を入れた例です。「セクション区切り」の文字が見えます。セクションの始まりと終わりには二重線が引かれます。この「セクション」の範囲に2段組みが設定されているという意味です。一段落目と三段落目以降とは別のセクションになります。

「セクション区切り」の文字に注目。セクションの範囲で2段組みが有効という意味

 例えば、別のセクションは、3段組にするといった設定も可能です。最初に段組みしたい行を選択してから操作することで、手軽にレイアウトを切り替えられるわけです。

三段落目を3段組にして、図形の[直線]で仕切り線を入れた例

段組みの文字数や間隔を設定する

 もちろん、段組み後の1行の文字数や段の間隔をカスタマイズ可能です。段組みを設定済みの箇所は「セクション区切り」の内側を選択してから操作します。」

「セクション区切り」の内側を選択しておく。[レイアウト]タブにある[段組み]から[段組みと詳細設定]を選択する
ここでは、1段目(左側)を24文字、段の間隔を3文字とした。1段目の文字数と間隔によって、自動的に2段目の文字数は調整される
段の文字数と間隔を調整できた

2つのテキストボックスを「リンク」させる

 変則的なレイアウトで、離れた位置にあるテキストボックスに入力する場合、あふれた文字を切り貼りしていませんか? 複数のテキストボックスをリンクさせる方法も覚えておくと便利です。1つのテキストボックスに収まらなかった文字が、リンク先のテキストボックスに表示されます。3つ、4つとリンクさせることもできます。

複数のテキストボックスを挿入しておく。入りきらない文字が途切れてしまっている。[図形の書式]タブにある[リンクの作成]をクリックする
バケツの形に変わったマウスポインターで、もう1つのテキストボックスをクリックする
2つのテキストボックスがリンクして、あふれていた文字が表示された