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手軽にExcelへ「ChatGPT」を組み込めるMicrosoftの実験アドイン「Excel Labs」を使ってみた

Microsoftのアドイン「Excel Labs」を試す

 最近、「ChatGPT」のニュースで持ちきりですね。4月11日にMicrosoftが発表したExcel用のアドイン「Excel Labs」でも「ChatGPT」が利用できるとの話を聞き、さっそく試してみました。

 「Excel Labs」アドインを組み込むと「LABS.GENERATIVEAI関数」が使えるようになり、数式を入力することで、「ChatGPT」への質問・回答が可能になります。アドインは無料ですが、「ChatGPT」のAPIキーが必要。無料枠の上限に達していたり、有効期限が切れていたりする場合は課金が必要になります。usageのページで確認してみましょう。

「Excel Labs」アドインを追加した状態

 「Excel Labs」は、Microsoft 365 Copilotの一部の機能ではなく、Microsoft Garageの一部としてリリースされているアドインとのことです。

 ともかく、Microsoftの提供するアドインなら警戒することなく試してみてもいいでしょう。Excelの画面から検索・追加が可能です。

APIキーを準備する

 Excel Labsから「ChatGPT」を利用するには、APIキーが必要です。API KeysのWebページからAPIキーを取得しておきます。詳しくは以前の記事を参考にしてください。

API KeysのWebページからAPIキーを取得する。生成されたAPIキーをコピーしてメモ帳などにコピー&ペーストしておこう

アドインを追加する

 アドインは[挿入]タブから追加可能です。出どころの怪しいアドインもあるため、検索時は「Excel Labs」と入力して、アドイン名「Excel Labs, a Microsoft Garage project」を確認してから追加してください。

[挿入]タブの[アドイン]をクリックする
検索欄に「Excel Labs」と入力して検索する。アドイン名の「Excel Labs, a Microsoft Garage project」を確認してから[追加]をクリックする
[続行]をクリックする
「Excel Labs」アドインが追加された

APIキーを登録する

 Excelの画面右側に「Excel Labs」と表示されます。ここでは、「ChatGPT」へ問い合わせる「LABS.GENERATIVEAI関数」を利用するので、下側の[Open]をクリックしてください。APIキーの登録後、セルに「=la」と入力すると関数の候補として[LABS.GENERATIVEAI]が表示されるようになります。

下側の[Open]をクリックする
画面を下にスクロールして[Configure API key]をクリックし、APIキーを貼り付けると「Saved」と表示される。これで準備完了だ
任意のセルに「=la」と入力した時に[LABS.GENERATIVEAI]と表示されることを確認しよう

LABS.GENERATIVEAI関数を利用する

 単純な質問から回答を表示してみます。オプションの引数として指定できる[temperature][max_tokens][model]がありますが、省略して構いません。「Setting」から変更したほうが簡単です。

質問はセルA1に入力してある。セルA2に「=LABS.GENERATIVEAI(A1)」と入力する
回答が表示されるまで「#Bビジー!」と表示されるがエラーではない
回答が表示された。間違ってはいないが無難な回答
画面右側に表示されている[Excel Labs]サイドパネルの[Setting]から設定は変更可能。[Model]は「gpt-3.5-turbo」のままでいい。[Temperature]の値が低いほど関連性の高い単語が選択される。[Maximilian Output Length]はセルに表示する最大文字数。回答が途中で切れてしまう時に調整する。[Frequency penalty]と[Presence penalty]はは同じフレーズや単語の繰り返し頻度の許容度を指定する。変更した場合は[Save settings]をクリックして保存する

サンプルを試す

 「Beginner's guide」に利用例が掲載されているのでいくつか試してみます。ガイドの冒頭にある「ポエムを書いて」は少し面白いですね。入力済みのデータと質問を組み合わせて「ChatGPT」へ質問するのが、LABS.GENERATIVEAI関数の使い道だと思います。

「Excel Labs」アドインの「Beginner's guide」で利用例を確認できる
セルA1に「=LABS.GENERATIVEAI("Excelについてポエムを書いてください。")」と入力した結果。
セルの値と質問を組み合わせて「ChatGPT」へ問い合わせる
数式で入力しているので、値を変更しながら連続して同じ質問を繰り返せるのは便利。得られた回答は下書きとして利用できそうだ